🎼🎮side
小さな頃から行っていた、クレープ屋さん。
色んなお店を知っているけど、ここのお店のがいちばん美味しい。
いちごチョコのクレープを頬張れば、クレープの可愛らしい見た目とと一緒にみことのおどおどとした姿が視界に入ってくる。
…小さい頃から一緒にいて、無言でも気まづいとか思ったこと無かったけど…今はとんでもなく気まづい。
そんな空気に耐えられなくて、思わず声をかけてしまった。
思えば、なんでみことがそこまで反省しているのか分からなかった。
小さい頃から小さな喧嘩はしていたが、次の日にはけろっとしていたし。
そこまで言って口を閉じる。
…八つ当たりしたあたしが言えることじゃない気がする。
ついうっかり、口をついて出た言葉。
あの日って言うのは、あたしがコンクールで転んだ時のことである。
みことのお母さんが今にも殴りかかってきそうな両親の怒号を必死に止めてたとき、みことは人気のないところまであたしを連れていってくれた、ような気がする。
昔から誰かのために一生懸命で、だけど、誰かのためにしたことを失敗して…落ち込んで…
あの日も足を捻ったばかりで痛いのに走らされたし…笑
…でも、なんだかそれが嬉しくて、その時は足が痛いのをわすれてた。
そういって、気づけばみことに近づいていた。
ぎゅーっと、苦しくなるほど抱き締めれば、彼女の温もりを感じることが出来た。
彼女は驚いた顔をしてあたしの顔を見つめた
そういえば、みことがちいさく微笑んだ。
小さい頃からの約束。
どんなにムカついてても、言い争ったあとは最後に必ずお互いに謝ってから終わらせる。
ずーっと抱きついていた腕を少し離して、おでこはつけたまま。
小さな時からの魔法の言葉を口にした。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。