おまけなので、読まなくても大丈夫です。
あなたの部屋にて、サイエンス部の一年生が目を輝かせながらあなたのペット(アシナガグモ)のマリーちゃんを見ていた。
あなたはそんな可愛い後輩に笑みが隠せない。
あなたが壁を這っていたマリーに手を差し出すと、マリーは慣れた様に手の上に乗る。
アシナガグモは体長こそ20mmだが、足を広げると15cm程にもなる。
益虫とは言え、あまりにも大きいため抵抗がある人も少なくない。
あなたはそう言いながら、マリーを壁に放してあげる。
マリーは壁をすばやく這っていく。
あなたはゴキブリを繁殖させてるショーケースにかけられていた布を捲った。
トレイでも目を逸らすショーケースだが、後輩は興味深そうに中を覗く。
あなたはそれを聞き、コンと天井を叩く。
するとへばりついていたゴキブリは、いとも容易く落下してしまう。
落下したゴキブリに、他のオスのゴキブリが群がり出す。
あなたはそれを見ると、再びショーケースに布をかぶせた。
ふふ、と小さくあなたは呟いた。
後輩はそんなことに気づかず、あなたにぺこりとお辞儀をする。
ー後輩sideー
僕はNRC1年生のサイエンス部です。
そして、隣で歩いているのは尊敬している先輩のあなた先輩です。
彼はイカれポンチの集いのサイエンス部において唯一の、とっても優しい先輩です。
ちなみにあなた先輩と同い年のルーク先輩は何かの実験の失敗で大爆発を起こしてました。
恐ろしい。
そう言ってにっこり笑ってくれるあなた先輩。
本当に優しい先輩だなぁ…としみじみ思う。
そしてその微笑みを見て、僕はあることを思い出してハッとする。
つい数日前、馬鹿なオクタヴィネル寮生が先輩の部屋に無理矢理入って刃物を振り回したらしい。
幸い先輩は同じ寮生のトレイ・クローバー先輩とケイト・ダイヤモンド先輩に助けられたらしいけど…。
先輩は少し俯いてそういうと、パッと僕の顔を見上げる。
良かった。繊細な先輩だから心に傷を負ってないか心配だったけど…思ったより平気そうで安心する。
先生達によると、トレイ先輩達があなた先輩を守ると魔法でも使ったのか急に消えてしまったらしい。
今も、その生徒は見つかってない。
きっとあなた先輩は不安でしょうがないだろう。
明るく笑うあなた先輩。
だけど僕は一瞬見てしまった。
何だか怖いあなた先輩を。
体に悪寒が走った。
でも次の瞬間、あなた先輩はいつも通りに戻っていた。
そう言って手を振る先輩はいつも通りの無邪気な先輩だけど…さっき見た顔が少し引っかかる。
…見間違いなのかな?とか思いながら僕は鏡を抜けた。



















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。