あっちゃんは声を震わせる。
でもそこには、先程までの怯えた様子はない。
ひゅうがが目元を拭うのが見えた。
ゆうまが優しく微笑んだ。
やまと。
お前はこんな良いメンバーをもって、幸せだな。
俺も幸せだよ。
やまとの閉じたままの目を見て言う。
もうあの笑顔が見れないと思うと、胸がとてつもなく締め付けられる。
ぼんが立ち上がり、パンッと子気味いい音を立てて手を叩く。
わざとテンションを上げていることが分かる。
でも、俺らがいつまでも悲しんでいたら、やまとも悲しんじゃうからな。
ただ、、、
もう少し、やまとのそばに居たい。
……まだ、受け入れられない。
受け入れなければならないのは、重々承知している。
それに、やまとなら「俺のことはいいから仕事に行ってくれ」と思うだろう。
でもそこまで割り切れない。
ぼんが優しい目をして頷く。
ひら、と手を振り、ひゅうがは出ていった。
無邪気に手を振るあっちゃん。
後で行くから、待ってて?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!