撮影スタジオにて。
自分の順番を持っていると、舘さんが隣に腰かけた。
その様子は、どこか別人のような気配を感じさせる。
舘さんがそんなこと言うなんて珍しい。意外と観察眼が鋭いんだ。
別に、教えるつもりなんてない。
…………………でも、少し種はまいておこう。
冗談だよ。
うるさい。あんたの問いに答えている時間はないの。
何も言えなくなったのか、ぐっと黙り込んでしまった。
いつも敵と戦っている時の目線を、彼にも同じように送る。
平然とした顔で、私は話を続ける。
その言葉に、私はふふっと悪魔の笑みを浮かべてうなずく。
裏切りもケンカも、私にとってはどうでもいいこと。
目的のための道のりが塞がれているのなら、強行突破するのみだ。
彼の絶句する顔が、目に入る。
…………………少し、言いすぎたかもね。
椅子から立ち上がって、正面を見据える。
その先にいるのは__________ポーズをとるふっかだ。
必ず、この手で殺してみせる。
真実を、この目で確かめるために。
誰に何を言われようと、私には関係ない。
1つの目的のためなら、命だってかけてみせる。
終末世界と契約を結んでいる私に、かける言葉もないらしい。
表情一つ変えることなく、舘さんは固まっていた。
長年業界にいる人は違うらしい。切り替えが早い。
ただ、去り際に見せた寂しげな顔は修正できなさそうだ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。