黄side
静かな部屋の中で
2人、ぎゅっと手を握った
しばらくすると、ポケットに入っていたスマホから音が鳴った
わさわざスマホで呼び出さなくてもよかったのに
大声出したり、なんなら部屋に来たりすれば
普通に俺を呼び出せたでしょ?
呑気にそう言うらんらんは
大量のパソコンから目を離していなかった
まにきと丁度良かった時に呼び出されてしまった事
呼び出した割にはこちらを見てくれず、適当な反応しか見せない事
その他色々含めて、強い口調になってしまった
雅家まで、仲は悪くないけど
そんな適当な言葉にも
愛が含まれてるって俺は分かってるから
それぞれの部屋は、ノックの後「どうぞ」という了承の言葉が無いと部屋の中に入れない
だからさっきも、部屋には完全に入っていない俺と、パソコンを見るらんらんで会話をするという
奇妙な事をしていた
考えてみると、らんらんの部屋に入るのは久しぶりで
1歩踏み出す度に懐かしい気持ちになった
覗き込むと
今まで通り、カメラを駆使したものになっていた
少し安堵する
あのまま乗っ取られていたら、こちらに不利すぎたから
話し方から
完全に仕事モードだなと思った
急に聞かれて
驚いたけど
答えは自分の中で固まっていたので、堂々と答える
部屋の中で、二人で話す事はあまり無かったから
じっくり議論出来て、有意義だったなと思えた
ふと聞いたその問い
きっと、深い意味なんて無かった
らんらんの手が
震えている事に気付いた
タイピングをやめて
振り向いてくれた
やっと俺を見てくれた











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!