第12話

第十二話
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2026/01/25 16:08 更新
次の日、情報収集に向かった、千田波空斗と高岡ミロからの報告があった。
2人ともあまり口にしたくないのか、少し言い淀んだ後に話し出す。
千田波空斗
緋蜘蛛のボスは恵比寿園出身じゃないみたい
高岡ミロ
裏で糸を引いてるのは、多分外部グループっぽい
芳賀柊斗
どういうこと?詳しく
芳賀柊斗が問いかける。
千田波空斗
“裏社会のブローカー”っていうか、“売り買い専門”みたいな存在らしくて……
竹野世梛
お、俺もそれ聞いた
高岡ミロ
日本とも中国系の極道とも繋がってるらしい
志賀李玖
あ、それは僕らも聞いたよ
近藤駿太
やばいとこに聞きに行ったからね〜マジで寿命縮むわ
そのあと間を開けて、すごく嫌そうに顔を顰めながら千田波空斗が続ける。
千田波空斗
だから、正直顔が可愛い龍人が襲われたのも納得…
八神遼介
うーわ最悪。その話一旦ストップで
各々が今までの情報と、己の情報を繋ぎ出す。
高桑真之
金で雇われた傭兵…てきな感じ?
武田創世
そう。緋蜘蛛で動くのは裏社会ベテラン、“指示”は全部外から
森田璃空
表ではIT企業の社長とかやってるらしいけどね
芳賀柊斗
となると、ワンチャン表の会社を脅しや買収で揺さぶる手段もありなんだな
芳賀柊斗が冷静に分析する。
しかし、芳賀の話を聞いた温世が冷静に懸念点を挙げる。
李玖も同じことを考えていたのかそれに被せるように続けた。
阿久根温世
まぁでも危険やろ。俺らも金あるゆーても外から色々してくる大企業に勝てるか言われたら…
志賀李玖
無理というか、厳しいだろうね〜
李玖の言葉が落ちた瞬間、空気が一段重くなる。
誰も否定しなかった。否定できなかった、が正しい。
筒井俊旭
せやけど…
沈黙を割ったのは筒井俊旭だった。
筒井俊旭
“正面から金で殴り合う”話やったら、最初から負けや。でもな
ノートパソコンの画面を回転させる。
そこには、おそらくその裏があると言われる企業名義の資金の流れと、いくつかのダミー会社。
俊旭と璃空は相手の会社を細かく調べていたらしい。
竹野世梛
金の動き、綺麗すぎるやろ
筒井俊旭
裏社会のブローカーにしては、痕跡を消しすぎや。逆に言えば
筒井俊旭
触れられたくない“裏”がある
八神遼介
表の顔を守りたい、ってこと?
八神が首を傾げる。
その言葉に俊旭は頷く。それに続けるようにミロが話す。
高岡ミロ
殺しは平気でも、“露見”は嫌。IT企業の社長が裏で人攫ってます、なんて出たら終わり…
中村旺太郎
つまり、緋蜘蛛そのものより、“糸の先”を締め上げる方が効く
近藤駿太
へぇー相手もこういう弱みがガッツリ見えてるんじゃん
旺太郎が静かに言葉を継ぐ。その後ろから画面を覗き拍子抜けだと言わんばかりに駿太が話す。
千田波空斗が小さく頷いた。
千田波空斗
実際、情報屋さんもそこは警戒してた。緋蜘蛛は切り捨て可能な駒扱いだって
その言葉に、近藤駿太が鼻で笑った。
近藤駿太
駒にされてるくせに、随分と忠実だよねー。死ぬのも怖くない顔してたしー
八神と世梛は顔を見合わせ、お互いが探っている際に一度取り逃したもの交戦した緋蜘蛛の組員を思い出す。
八神遼介
忠実、っていうより
竹野世梛
逃げ道がないって感じやったな
阿久根温世
洗脳か、薬か、借金か…どれにしろ、使い捨てやな
阿久根温世が顔を歪め低く呟く。
志賀李玖
…龍人も、その“材料”にする気…?
李玖が珍しく笑わずに言った。

その瞬間、旺太郎の指が机を叩いた。
乾いた音が一つ。
中村旺太郎
それはさせない
中村旺太郎
段取りを変える
短いが、力強い断定であった。

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