第35話

お仕置タイム
1,538
2025/06/16 06:54 更新





―――コンコンコン。




ノック音がして、眠りから覚める。






🦖「しゅあさん、おはようございます」




これは……ディノさんの声。


足音が近づいてきて、数秒後に、シャ…っとカーテンの開く音がした。

目を閉じてても、痛いくらいに目を刺してくる太陽の威力って凄まじい。



もう、朝なの……?



モゾモゾ体を動かして上半身を起こす。


うーん、なんかすごいよく眠れた気がする…、


目をこすって、それから体を伸ばして。

そこでようやく、昨日のことを思い出した。



そうだ、昨日ははにと、!



咄嗟に部屋を見回すけど、部屋にはディノさんと僕以外誰もいない。




…え、?
まさか、夢だった?




🐰「ねえ、はにって……」




カーテンを留めるディノさんに声をかける。




🦖「ああ。はにさんなら今朝、僕がちょうどこちらに来るタイミングで出て行かれましたよ」


🐰「あ、………そうなんだ」




なにそれ。



目が覚めたら、僕のことも起こしてくれればよかったのに。


しかも今日は土曜日だよ。

そんなに急いで帰る必要なくない…?


しょんぼりうなだれる僕に、ディノさんはふふっと笑いかけた。




🦖「今日は、生徒会の仕事があるっておっしゃっていましたよ」


🐰「え、生徒会?」


🦖「ああ、それから。しゅあさんに宛に伝言を頼まれていたんです。“漫画借りて行く”、とのことでした」


🐰「はあ、わかりました……、いや、…え?」



マンガ カリテイク?

……ええええええまさか!?



バッと見上げた本棚。


見慣れたブックカバーの背表紙が…ない。



嘘!ほんとにない!



『意地悪な幼なじみの甘い指先に〜(以下自主規制)』の、既刊全5巻がない…、!!

サーッと血が下のほうに流れていく。


どっ、どうしよう!

あんなの見られたら生きていけない!


もう何度か見られてるからって開き直ることもできない!


僕にとってはもはやバイブルと言っていいほどの神作品だけど。

あんな甘々全開のシチュエーションに憧れてるって知ったらぜったいバカにしてくる。



ううっ。

意地悪い顔が容易に想像できる………




🦖「しゅあさん、どうかされましたか、?」


🐰「な、なんでもないです」


🦖「顔色がよろしくないようですが……」


🐰「ダイジョウブです…、」




ぜんぜん大丈夫じゃないです。

表紙もギリギリの危うさだし。

本編の9割はイチャイチャシーンだし。


見られる前に、今すぐにでも取り返さないと……っ。




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