第5話

今日から舎弟
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2026/01/26 09:00 更新




玄弥くんは5年経った今でも見つかっていない


そして俺は中学一年生になった

門馬虎次郎
玄弥くん……



今まで1日だって忘れたことはない


いつだって頭の片隅には玄弥くんがいる


今まで、ずっと思ってた。


帰りたいって、元の世界に。元の俺の居た場所に。大好きな家族に囲まれていたあの家に。俺の名前を優しく呼んでくれるあの人たちに。

門馬虎次郎
……あれ



俺の影ってこんな色ついてたっけ……


__
……
門馬虎次郎
……




めっちゃ目合った










門馬虎次郎
誰やお前



はいこれが俺の第一声です、


誠に申し訳ございません


__
誰、って、勝手にぶつかってなんやねん
門馬虎次郎
いや、挨拶やん
__
どんな挨拶や!喧嘩売っとんのか!



とりあえず……と思いながら彼の背中を見ると


門馬虎次郎
君小学生やん
__
やからなんや!
門馬虎次郎
いや、別に
門馬虎次郎
ほんで名前は
__
は?不審者に名乗る名前なんてないわ
門馬虎次郎
お前ほんまええ根性しとんな



そして小学生の男の子に手を伸ばした時だった


__
ッ!


反射的に、自分の体を庇う体制で蹲ったんだ


門馬虎次郎
……おいチビ
__
なん
門馬虎次郎
お前今日から俺の舎弟な
__
……は?
門馬虎次郎
よろしく
__
何言っとんねん、!俺は
門馬虎次郎
最初の仕事はお前いじめとるヤツら俺の前に連れてこい
__
いや、なんで、関係ないやん。!
門馬虎次郎
言ったやんお前今から舎弟やって
__
だからって、!
門馬虎次郎
おいこらチビ
門馬虎次郎
はよせえ


そう言うと小学生の男の子は走ってどこかへ行ってしまった


門馬虎次郎
……来るかなぁ……



不安になって砂場の砂を指でいじってたら後ろからさっきの男の子の声が聞こえた


__
っはぁっはぁっ
__
助けて!!
門馬虎次郎
んお?


すると何人かのちび共と数人の高校生に追いかけ回される男の子が居た

__
お前がっはぁっ、連れてこい言うたんやぞ、!
門馬虎次郎
君律儀やな
門馬虎次郎
あとお前じゃないわ


俺は高校生を仕切っていそうな奴の顔面を思いっきり蹴り飛ばした


__
…え
門馬虎次郎
俺の名前は門馬虎次郎や


……ちょっとカッコつけたけどちょっとくらい許してよ!?ね!?

門馬虎次郎
お前ら俺の舎弟に手出したんやろ
門馬虎次郎
で?なんか言い訳あるん
__
しっ、そこにおる渋谷って奴は、
__
あ、赤森地区の奴や!
__
やのに庇うなんて頭おかしいんちゃうか!?
__
……(赤森……)
門馬虎次郎
赤森がなんや……




赤森やからなんや


門馬虎次郎
赤森で生まれても同じ日本人やろうがボケが!!!
__
はぁ!?貧乏人なんかと同じにすんな!
門馬虎次郎
お前人のこと馬鹿にする前に自分の人間性見つめ直せや


そう言うと俺はヤツの目にそこら辺にあった砂擦り付けたった


__
う"う"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!
__
い"たぁ"い"!!
__
やめ"っ!
門馬虎次郎
次やったら目ん玉抉り出すぞボケ
__
う、うわあ!ジュンちゃんの目血出とる、!!
__
ジュンちゃん!
門馬虎次郎
なぁにがじゅんちゃんや
門馬虎次郎
キッショ
門馬虎次郎
はよどっか行け
__
な、なぁっ!虎次郎くん


俺は重ねてしまったのかもしれない


あの日初めて出会って、俺の席の後ろで虐められていた玄弥と、今日出会った渋谷大智という少年を


門馬虎次郎
(顔も、呼び方も)



全部君に似とるんよ、玄弥くん



門馬虎次郎
今さらやけど、君何歳なん?
__
僕は、まだ8歳。


。ここまで来るとなんかの縁感じるやんな??せやろ??

え、僕と玄弥くんが出会ったのも8歳の冬の今頃で、渋谷くんと出会ったのも同じ時期て。

運命やん????




門馬虎次郎
じゃあ、渋谷くん
渋谷大智
う、うん
門馬虎次郎
年上には敬語使おな
渋谷大智
あ、はい
門馬虎次郎
今日親って帰ってくるん
渋谷大智
…いや、わからん
門馬虎次郎
そうなんや、ならうち来、今日は俺ん家親居らんねん
渋谷大智
え、ええの!?
門馬虎次郎
初めましてやし、お互いなんか知ってこうや
渋谷大智
う、うん、!

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