…朝、登校中に…八神と会った。
私を待っていたらしいー。
昨日の笑顔と、真逆で…暗い顔だった。
私は、近づいて『どうしたの?』って聞いてみると…八神は、冷たい目でこっちを見て…
こう言った。
『詳しく聞かせて』って言うと、八神は頷いて…歩きながら説明してくれた。
八神の目は、怒りだけだった。
拳を作り…震えていた。今すぐ殴りかかってもおかしくない状態だった。
……本当…酷い…。
…本当に酷かったよ、あんたのお母さん。
あなたが母から聞かれた流れと…、本当の流れは 全然違うよ。
まぁ、私も悪かったんだけどー。
あの時も同じ……ちょっかいを出したのは向こうからだったよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《昨日の夕方》
私は、あなたの全てを奪ったけど…私の全て や
…親を奪ったのは…あんたら じゃんか。
『人殺し。』 『可哀想』
って言われるのは…本当に腹が立った。
誰のせいで…母は亡くなったと思ってるの?
……ははっ…。
もう我慢出来なくて…11年前と同じように…気持ちに任せて…目の前の人を痛い目に合わせようとした。
私が襲いかかった勢いで バランスが崩れ、倒れるおばさんの上に馬乗りして…近くにあった重めの石で
思いっきり…左腕を殴った。
悲鳴が響いた。
もう1発殴ろうと思ったが…やめた。
『やめて!』と叫ぶ母の声が聞こえたような気がしたから…やめた。
聞こえるわけがない。だから…心の中の私が叫んだのだろうー。
俯いて…泣きながらこう言った。
お願いだから、もう会いに来ないで。
それが…私にとっても、あなたにとっても1番いい道なのだと思うー。
どうか…理解して…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《現在》
横を見ると…私の全てを奪った親の息子がいる。
その隣に…11年前の事件の犯人《私》が歩いている。
そうだって知ったら…八神は、絶望するんだろう…。
『何故早く気づかなかった?』ってーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《昨夜、八神の家》
母は、泣きながら僕にこう言った。
母の左腕は、血が出ていて…動かなかった。
僕も、そうだと思う。
母まで怪我させて…いや、殺されたのかもしれない…。
絶対に許さない…!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのまま、学校に着き…いつも通りに時が流れた。
八神は、ずっと暗い顔で下ばっかり俯いていた。
私も…昨日のことや、八神の母が…八神に言った言葉が頭に残って…
それは、それで苦しかった。
私は、《生きてはならない人》か……。
うん、そうだね…。
色々と考え事をしていたら…もう夕方だ。
最近…時が流れるの早く感じる。
バッグを持って立ち上がると…誰かが前を通り、止まったのが見えた。
ゆっくり俯いていた顔をあげると…翔と、葵がそこに立っていた。
隣に座っていた八神も、顔をあげ…
と、呟く。
翔は、真剣な顔でこう言った。
…だけを言い、質問も受けずに さっさと教室から出た。
理解出来ず…ぽかーんとしているわたし達に、今度は葵が口を開いた。
と私たちを見つめながら言い、葵も教室から出ていった。
なんか大切な話でもあるの……?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜…私と、八神は言われた通りに〇〇神社に向かった。
長い階段を上った先には…私服の翔と、葵が立っていた。
雲に隠れていた月がだんだん顔を出し…少しずつ明るくなっていくー。
((嫌な予感がするのは気のせい?))












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。