暗い……とっても暗い…!!
朝、あの話をしてから八神は またモヤモヤしている…。
葵は、朝から…がんがん先生に怒られたためテンションが低い。
家庭科で蒸しパンを作ることになった。
私の班は、八神、葵、翔だ。
翔は、最近八神と仲良くなった友達で明るい性格だ。
翔は、そっと私の耳に囁く。
私も苦笑いして頷いた。
他の班は、楽しくやってるが…私の班だけ黙々と料理している…。
先生も楽しくないのか?ってチラチラと見てくる。
まぁ、私には関係ない。ただ蒸しパンが作ればいい。
そうなんだけど…寂しかった。……今までどーでも良くてなんも感じなかったのに。
最近になると、《寂しい》と言う感情が増えてきた。
ちょっと関わり過ぎてしまったのかな…。
いつもは、明るい翔までだんだんと暗くなってきた。
このままじゃ…ダメだー。
そうと、心の中の私が…私に言った。
俯いていた顔が少しずつ上がって私を見る。
こっちを見た瞬間、後で一緒に混ぜるために切っておいた林檎の1部を葵の口へ入れた。
そう言い…私は、微笑んだ。
葵は、ちょっとびっくりしながらも頷いた。
そう言い、葵のほっぺをつまんで横へ引っ張った。
そうしてる間にだんだん…先生から怒られたことも忘れ…葵は、笑顔になった。
葵も、私のほっぺをつまんで横へ引っ張った。
はしゃぐ私達を見た翔は…八神に近づいた。
ゆっくりと、八神が振り返った先には…全力変顔の翔がいた。
誰にも笑ってくれないので…恥ずかしくなったのか…翔は、変顔をやめて真っ赤になった。
半泣きで八神に抱きつこうとする翔に…、
必死に翔から離れようとする八神。でも、八神の顔は笑っていた。
明るくなったね。暖かくなった。
寒くて暗い雰囲気は一瞬にして消えた。
みんなも笑うから釣られて私も笑った。
『人殺しがーー。』
『人殺しが………笑うなよ。』
あぁ、そうだった。また嫌な思い出が私を捕まえて…また首を絞める。
苦しいー。助けてよ……。
そう言いながら私は、泣くのです。
そう言い、笑いかけるが…いつもの作り笑いが出来なかった。
前よりも…楽しくなったような気がして…
とても苦しくなったような気がした。
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蒸し器をそっと開けた。白い湯気が出て…甘い匂いがした。
4人並んで…ホカホカな蒸しパンを1つずつ持った。
大きく口を開けて…大きな一口。
本当にふわふわに出来上がっていて…林檎の味も良くて…
何よりもみんなの笑顔が嬉しかった。
葵は、手をほっぺにあてて…本当に幸せそうな顔で微笑んだ。
八神は、じっと私を見た。
そう言われて気づいた。さっきから目が熱かったんだ。
そう…泣いていたんだね。
どうして…泣いてるの?
葵は、背中をさすりながら言う。
ううん、楽しかったからだろう…。
久しぶりだから…こんな風に過ごせるのはー。
翔は、精一杯の笑顔でそう言った。
こうして見ると…私……普通の女子高校生だ。
普通の……普通の…女子高校生に見えるね。
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帰り…私は、浮かれていた。
『今日は、楽しかったな!』って…
『また、4人で話せるかな?』って……
楽しいこれからの事を考えていた。
タッタッタッ……。
『高校生活楽しくなりそうだね…ひひっ!』
タッタッタッ…。
周りを見て…また前に目を動かすと…
1人のおばさんがこっちに向かって早歩きでやって来るのが見えた。
ん、……こっちに来てない?誰?
…嫌だ。……まさか………………やめて。
見覚えがある…。
前、私が殺したおじさんの《妻》だった。
気がつけばもう目の前。
手が私の顔に近づいてきて……。
((パシーーーーン!!))
頬が痛い…。顔さえも見たくないのに…。
なんで私を追いかけてくるの?
お願い…その以上言わないで…。
そう…私は、人殺し……。人殺しだ。
何を隠そうと……11年前の事件の犯人ですー。
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そろそろゆっくり眠りたいです。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。