第6話

『人殺しが。』
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2019/02/06 08:03 更新
暗い……とっても暗い…!!


朝、あの話をしてから八神は またモヤモヤしている…。

葵は、朝から…がんがん先生に怒られたためテンションが低い。



家庭科で蒸しパンを作ることになった。
私の班は、八神、葵、翔だ。

翔は、最近八神と仲良くなった友達で明るい性格だ。
え、えっと…なんかうちの班だけ暗くない?
翔は、そっと私の耳に囁く。
私も苦笑いして頷いた。


他の班は、楽しくやってるが…私の班だけ黙々と料理している…。
先生も楽しくないのか?ってチラチラと見てくる。




まぁ、私には関係ない。ただ蒸しパンが作ればいい。

そうなんだけど…寂しかった。……今までどーでも良くてなんも感じなかったのに。

最近になると、《寂しい》と言う感情が増えてきた。

ちょっと関わり過ぎてしまったのかな…。


いつもは、明るい翔までだんだんと暗くなってきた。



このままじゃ…ダメだー。

そうと、心の中の私が…私に言った。
吉田 ちこ
………葵。
葵ちゃん
…ん…?
俯いていた顔が少しずつ上がって私を見る。
こっちを見た瞬間、後で一緒に混ぜるために切っておいた林檎の1部を葵の口へ入れた。
葵ちゃん
んっ!?
吉田 ちこ
…甘い?
そう言い…私は、微笑んだ。

葵は、ちょっとびっくりしながらも頷いた。
葵ちゃん
うん…おいひい…
吉田 ちこ
ははっ!ブスーっとしていたらつまんないよ…
吉田 ちこ
ほら、笑え〜!
そう言い、葵のほっぺをつまんで横へ引っ張った。
葵ちゃん
いひい〜ひゃぃ…ひゃい〜!!
そうしてる間にだんだん…先生から怒られたことも忘れ…葵は、笑顔になった。
葵ちゃん
やったなぁ〜!あんたもそうしてやるっ!
葵も、私のほっぺをつまんで横へ引っ張った。
吉田 ちこ
いひゃい…!!
葵ちゃん
ぶっ…はははっ!
はしゃぐ私達を見た翔は…八神に近づいた。
なぁ…俺を見てみろ…
八神 煌
……は…?
ゆっくりと、八神が振り返った先には…全力変顔の翔がいた。
葵ちゃん
……。
吉田 ちこ
……。
八神 煌
………っ
誰にも笑ってくれないので…恥ずかしくなったのか…翔は、変顔をやめて真っ赤になった。
八神 煌
…ははっ、馬鹿じゃねーの?
お前を笑わせようとしたんだよ〜(泣)
八神 煌
馬鹿みてぇ…あははっ!
半泣きで八神に抱きつこうとする翔に…、

必死に翔から離れようとする八神。でも、八神の顔は笑っていた。



明るくなったね。暖かくなった。

寒くて暗い雰囲気は一瞬にして消えた。



みんなも笑うから釣られて私も笑った。






『人殺しがーー。』


吉田 ちこ
…はっ!?

『人殺しが………笑うなよ。』


あぁ、そうだった。また嫌な思い出が私を捕まえて…また首を絞める。


苦しいー。助けてよ……。


そう言いながら私は、泣くのです。
吉田 ちこ
は、ははっ……はは………
葵ちゃん
ん?どうしたの?ちこ?
吉田 ちこ
あ、なんでもないよ!
そう言い、笑いかけるが…いつもの作り笑いが出来なかった。


前よりも…楽しくなったような気がして…

とても苦しくなったような気がした。

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蒸し器をそっと開けた。白い湯気が出て…甘い匂いがした。
吉田 ちこ
出来た……!!
4人並んで…ホカホカな蒸しパンを1つずつ持った。
葵ちゃん
美味しいのかな?
早く食べようぜ!
八神 煌
じゃぁ…いただきます…!
大きく口を開けて…大きな一口。
吉田 ちこ
んっ……!?
吉田 ちこ
美味しい…!
葵ちゃん
それな!!暖かくて…
ふわふわしてるぜ!何百個も食べられるぞ!
八神 煌
おいおい…お腹壊すぞ…。まぁその気持ち分からなくはないな。
本当にふわふわに出来上がっていて…林檎の味も良くて…

何よりもみんなの笑顔が嬉しかった。

葵ちゃん
さいこー!!
葵は、手をほっぺにあてて…本当に幸せそうな顔で微笑んだ。
八神 煌
…吉田………
吉田 ちこ
ん?
八神 煌
そんなに美味かったのか?
八神は、じっと私を見た。
吉田 ちこ
……え?
八神 煌
泣いてるけど…大丈夫か?
そう言われて気づいた。さっきから目が熱かったんだ。

そう…泣いていたんだね。




どうして…泣いてるの?
葵ちゃん
そんなに美味しかったの?
葵は、背中をさすりながら言う。
吉田 ちこ
そうかもね。ははっ
ううん、楽しかったからだろう…。

久しぶりだから…こんな風に過ごせるのはー。
なぁ、俺さ…!!
いい思い出になった!
翔は、精一杯の笑顔でそう言った。
八神 煌
何を言うと思ったら…それかよ!
葵ちゃん
翔…あんたって、やっぱ面白いわ!
吉田 ちこ
うん…確かにいい思い出になったね。





こうして見ると…私……普通の女子高校生だ。


普通の……普通の…女子高校生に見えるね。


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帰り…私は、浮かれていた。


『今日は、楽しかったな!』って…

『また、4人で話せるかな?』って……

楽しいこれからの事を考えていた。






タッタッタッ……。


『高校生活楽しくなりそうだね…ひひっ!』


タッタッタッ…。


周りを見て…また前に目を動かすと…

1人のおばさんがこっちに向かって早歩きでやって来るのが見えた。


ん、……こっちに来てない?誰?




…嫌だ。……まさか………………やめて。





見覚えがある…。

前、私が殺したおじさんの《妻》だった。





気がつけばもう目の前。

手が私の顔に近づいてきて……。







((パシーーーーン!!))






頬が痛い…。顔さえも見たくないのに…。

なんで私を追いかけてくるの?
煌の母
やっと…見つけたわ
お願い…その以上言わないで…。
煌の母
人殺しが……。

そう…私は、人殺し……。人殺しだ。


何を隠そうと……11年前の事件の犯人ですー。


煌の母
ははっ!あなた…母も亡くなったって?
吉田 ちこ
………はい…。
煌の母
ははっ、可哀s…

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そろそろゆっくり眠りたいです。

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