だからか。茶色の瞳…なんだか見覚えがあると思ったら。
あの時のあの少年でしたか。
被害者の妻に殴られている時、玄関のドアからこっそりと見ていたあの少年でしたか。
そう……同じ歳だったんだね。
その答えが何よりも怖い。
でも、その心配は要らなかった。
まだバレてない。まだバレてない。
まだ……大丈夫だ。まだ…大丈夫……。
あははっ、私が犯人ですよ。
私が11年前の事件の犯人…ですよ?
そして、改めて真剣な顔をして確かめてきた。
そう言われて…『そうです。』って答える馬鹿な犯人いますか?
いないでしょ…。
そう答えると、八神はちょっとほっとした顔になった。
本当…馬鹿ですね。
まぁ、私にとっては好都合だ。
何故そんなことを言ってしまったんだ?
もう関わらない方がいいのに。
いや、よく考えたらそっちの方がいい。
近くにいて、情報を聞いた方が…私が犯人だってバレないように…
こっちも工夫出来る。
ごめんね、八神さん。
…あなたを利用します。
あー、八神ってそんな風には笑うんだね。
笑ったの初めて見たかもしれない。
その笑顔が…全てを、真実を知ってしまった時、消えてしまうんだな。と思うと…ちょっと苦しかった。
でも、自分を守るためだからー。
八神は、笑いながらこう言った。
……あなたが私を復讐したいのはよく分かる。
私も、あなたのお父さんに復讐で殺した。
でも、なんも変わらなかったよ。
自分が自分を殺すような状態になったよ。
復讐しても意味無いよ!って言えるわけがない。
私にそれを言える権利はないから。
でも、どうしても心のどこかで『私と同じ道を歩いて欲しくない。』と言う私がいたので…
ちょっと言葉を変えて言ってみることにした。
その以上は何も言わなかった。
その後は、あなたの勝手だ。私は、関係ない。
うん。そう犯人の下の名前と同じですよ。
おかしいよね、…気づくかな?
そこまで言っても…まだ信じるのですね。
後になって絶対に後悔するよ、あんた。
八神は、見た目は大人しく見えるけど…
こんな風に話してみたら…明るくて馬鹿で…やっぱり普通の男子高校生だった。
こうして…私のちょっと変わった日常が始まった。
さてさて、いつまで持つのでしょうかー。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。