第11話

友達になりたい
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2021/03/31 05:34

亮「あーねむい」


弟の亮があくびをしてる。


優「ねえやめてよ、うつる」


私が笑って言うと亮もクスッと笑った。


この時間が幸せでニヤニヤしちゃう。


亮「なにニヤニヤしてんの。」


亮が私のほっぺをつねった。


優「うへ」



周「横田さーん!」


嫌な予感がする。


私がゆっくり後ろを振り返ると、周が満面の笑みで手を振っている。


優「亮、行こう」


亮「いーの?」


優「いーのいーの!」


私は亮の手を握って引っ張って行く。


私大っ嫌いとか言ったのに。


気にしてないの?






周「横田さん!」


優「...」


愛衣「周くん呼んでるよ?」


佳奈「喧嘩してんの?」


愛衣と佳奈が不思議そうな顔をしてる。


告白されたことちゃんと言った方がいいよな。


でも、恥ずかしすぎる。


周「横田さーん?」


優「う、うるさい!」


私は周の方を見て睨みつけた。


周「へへ、怒られちった!」


周は笑ってる。


あいつドM?


優「愛衣佳奈行こう」


愛衣「えー!いいのー?」


佳奈「なんで怒ってんだよ」


優「いーのいーの!」





___放課後___



あー、やっと放課後。


周にずっと絡まれた。


疲れた。


光平「おい、優」


光平がくるんと後ろを向いた。


優「んー?」


光平「今日は俺とカラオケ行こうぜ」


光平はニヤッと笑っている。


優「おう!」


光平とカラオケ久しぶりだー!楽しみだな。


奈生「そんじゃあ僕は周くんと帰るね」


奈生はふふって可愛く笑った。


優「うん!ばいばーい」


光平「じゃーなー」


2人で4人に手を振る。



光平「優とカラオケ久しぶりだなー」


カラオケまで歩いていると光平が嬉しそうに笑った。


優「それな!?最近忙しいから」


光平「今日行けんのめっちゃ嬉しいわ」


光平と2人きりで歩く。


普通男子と2人きりなんて気まづいんだと思うけど、光平と奈生と2人きりになっても全然気まづくならない。



___カラオケ___



光平「優やっぱ歌上手い」


優「光平も相変わらずっす」


2人で飲み物を飲みながら休憩。


だいぶ歌った。


光平「優ギター弾けるし、TikTokに投稿したらバズりそう」


光平がこっちを見て笑う。


優「えーバズるかな?」


私も笑う。


光平「優さ、周に大っ嫌いって言ったろ」


光平は真面目な顔になって聞いてきた。


3人は仲良しだ。


周から聞いたよね。


優「ん、言ったよ」


光平「なんで?」


優「なんでって、嫌いだし」


私は虐められてたの。


光平に言ったらなんて言うだろう。


いじめっ子だった周のこと嫌いになっちゃうのかな。


光平「そか」


優「うん」


光平「でもな、あいつ良い奴だぞ。」


優「知ってるよ」


光平「何かあったのかもしれないけどさ、もっと向き合ってやってよ」


優「ん」


光平「俺の大事な友達だからさ」


光平は優しい顔をした。


優「私、大っ嫌いって言ったこと少しだけ後悔してる。」


光平「うん」


優「凄い勝手だけど、私の事嫌いになったと思って、悲しくなってた。」


光平「...」


優「それでも今日もたくさん声かけてくれて。」


光平「...」


優「冷たい態度ばっかとったけど、ほんとは嬉しくなった。ほっとした。まだ嫌われてないんだって。」


光平「優は周とどうしたい?」


優「友達になりたい。」


光平は嬉しそうに笑ってくれた。


光平「絶対なれるよ。」


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