side あなた
【少し待ってて。】
私は筆談で伝えるべきことを
紙にまとめた。
【目黒、病室に来てくれたりして、本当に嬉しかった。ありがとう。助かったよ。】
目「ううん、俺もあなたちゃんに会えて楽しかったし、嬉しかったし。」
【目黒。私はね、このまま消えて死んでしまってもいいと思ってるよ。】
目「!?」
【まだ、目黒が宇宙sixにいた時に言ったことがあったよね。「私には歌しかない」って。】
目「…」
【手術を受けなければ、死んでしまう。
受ければ、歌が歌えない。】
【私にとって、歌が歌えないことは死んでるも同然なの。】
目「でも、俺ら!あなたちゃんと…デビューしたいっす。せっかく、ここまで来たのに…」
【さんなの、耐えられない。】
目「…」
【ごめんね、目黒。】
【誰よりも誰よりも好きな音楽で踊って、アイドルしている人たちを見るのが耐えられない。】
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。