2030年 2月10日 金曜日。
Page-2. 『マシンガントーク。』
人間生活も2日目。
1日目はほんとにドタバタしすぎて、
疲れ果ててたけど、そんなことにも幸せを感じた。
夕方。
こっちゃんが帰宅して、そのまま晩御飯前に、
3人でソファでくつろいでいたころ。
あたしの右側に座って、あたしの目をしっかりと見て話す遥花。
一方、反対側のこっちゃんも
あたしを見ながら話をしてる。
嬉しいっ…、嬉しい…けど。
この人たち、こんな喋ってたっけ…?
2人の話に終わりが見えんどころか、
同じタイミングで、色々話し続けてくるから、
なかなか聞き取れへん笑笑。
なんて、あたしの方に一点集中。
マシンガントークの上に、
同時に同じ言葉を話すなんて、
どんだけ親子なんやろ。って、
なんだか微笑ましくなった。
でも、やっぱり、嬉しい。
こんなに2人に囲まれて過ごす暮らしって、
こんなに幸せなんだと
はじめての気持ちに心がジンと熱くなる。
って、ふたりとも楽しそうに話してる。
遥花が自転車かぁ〜。
早く生で見てみたい。
遥花の自転車を漕ぐ背中。
ずっと、見てたよ。
って、なんかこの文、ストーカーみたいやけど、
そんなことは気にせんといてな笑。
って、余談は置いといて……、
知ってるよ。
遥花が、自転車に乗れるようになったこと。
いっぱい練習してたこと。
知ってる。
って言うと、
遥花は勢いよく起立して、
紙とペンを取りに走っていった。
もちろん遥花が文字をかけるようになったこと。
知ってるよ。
保育園で、ワークをひたすらやってたことも。
机にまでひらがなを書いちゃって、
先生にちょっとだけ怒られてたことも笑笑。
全部知ってるよ。
嬉しすぎた。
幸せすぎた。
こんなにあたしだけが幸福でいいのかってぐらい。
ずっと見ていた、
こっちゃんの姿。
遥花の姿。
触れたくても触れられなくて、
一緒に見届けたくても、
それもできなくて、
そんな死後の世界と人間に戻れた、今。
それが比べ物にならないぐらいに、
明るい世界過ぎる。
今は、ずっとこの感覚に浸っていたい。ってつくづく思う。
神様には感謝してもしきれないぐらい。
もう、何を返せばいいのかもわからないぐらい。
きっと、昨日の1日が一瞬で過ぎたように、
これから続く人間生活の38日間も、
きっと一瞬。
でも、その一瞬に、幸せをいっぱいに詰め込みたいと思う。
3人揃って手を合わせて食卓を囲んで、
一斉にそう叫んだ。
あたしも、ふたりもニコニコの笑顔で
箸を持ち始める。
昨日はなんやかんやで、
出前をとってご飯をいただいたから、
人間生活ではじめましてのあたしの手料理。
にしても、久々にキッチンに立ったもんやから、
張り切って作りすぎてしもうた…笑。
って、もう目がキラキラしてる…笑。
こうやって食卓を囲むのがずっと夢やった。
3人で同じ机を囲みながら、
美味しそうに食べる姿を見つめたり…、
って、一緒に苦手を克服したり、
こうやって、遥花の今日の出来事を聞いたり。
人間生活2日目にして、
夢が叶うなんて。
これ以上のことはあらへんぐらい幸せで、溢れかえりそう…笑。
それに……、
このふたりのマシンガントークも、ずっと聞けるし、笑。
流石に、ご飯が冷めてまう…笑。
まぁでも、
この人たちのマシンガントークがずっと聞けるなら、
それもそれで幸せなのか…?
それにマシンガントークはまだまだ終わりそうにない。
一体このおしゃべりなお口は誰に似たのやら笑。
人間生活2日目 Fin.
___人間生活 残り37日。
🌻2週間も、投稿お休みして、
申し訳ございませんっ!
言い訳にはなりますが、
最近、バイトが忙しくって…、
その上課題にも追われてました…、
ほんとにごめんなさいっ
お待たせしましたっ!
きっと、遥花ちゃんもこっちゃんも、
ままに会えて嬉しくて、
マシンガントークなんですかね?笑
何気ない幸せっていいよね〜、
ほっこりできましたか…?
コメント、感想など、是非お待ちしております!
それではっ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!