穂波side
ワイワイと賑やかな教室に入る
今日こそはあの子が来ていることを信じて
クラスメイトに挨拶をし、自分の席に行く
あの子の席を見るも、今日も空っぽのままだった
毎日見ていたあの子の笑顔をここ最近は見ていない
先生が入ってきて、みんなも自分の席に戻る
もう一度、確認するように、あの子の席を見るも、
そこは相変わらず誰も座っていなかった
もう1週間ぐらい、わたしの幼馴染みである一歌ちゃんと
友達のこはねちゃんが学校を休んでいる
連絡をしてみても、未だ、返事がない
昼休み
今日もひとりでお昼ご飯
お昼を食べるため、中庭に向かっていると、
辺りをキョロキョロとしている雫先輩がいた
わたしが声をかけると、笑顔で振り向いてくれた
わたしがそう声をかけると、暗かった顔が
ぱあっと一気に明るくなった
雫先輩と中庭に向かう
そこでわたしはずっと気になっていたことを聞いてみた
わたしがそう言うと、
雫先輩は俯き、静かにこういった
「もしかしたら...」
そんな淡い期待は、砕かれた
幼馴染みが“3人とも”いなくなり、不安になってるわたしを心配してくれたんだろう
優しく、そう声をかけてくれた
でも、その言葉は自分自身にも
言い聞かせているようにも聞こえた
当たり前だ
大切な妹が突然いなくなってしまったんだから
心配で、心配で...
でも何も出来ない自分がいて...
“きっと帰ってきてくれる”
そうやって信じているしかない
わたしもそうだから
いつも一緒にいる桃井先輩がいないことに疑問を持った
わたしは聞いてみた
すると、雫先輩は悲しそうに笑った
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。