雫side
森の中を歩くこと数十分
私たちは未だにみんなを見つけられずにいた
草薙さんの話によると、杏ちゃんはいたらしい…
でも……
きっとみのりちゃんたちも杏ちゃんと同じように
前とは別人のようになっている
みんなが私に希望をくれたように
今度は私が希望を届ける
アイドルとしてもだけど…
穂波ちゃんは周りに怯えながら
そんなことを言った
森だからといって、
日の光ぐらい入ってくると思うし…
そんなことを考えながら歩いていたからか、
直前まで足元の“何か”に気づかなかった
転けそうになっていた私を彰人くんが
支えてくれていた
彰人くんはそう言って前の方に歩いていった
何でつまづいたのかを確かめるため、
かがんでその“何か”を拾おうとすると…
ドーン!!!!!!
辺りに轟音が響いたと思えば、さっきまで
周りにあった木々は跡形もなく消えていた
みんなが困惑している中、
その声は静かに辺りに響いた
慌てて近くにいる穂波ちゃんを見ると、
その顔は青ざめていた
そして、苦しい顔で名前を呼んだ
怪訝そうな顔をしたしぃちゃんは、
頭に狼の耳のようなものがあり、眼光も鋭い
そう言ってこちらを睨みつけてくる
しぃちゃんに言葉が出なかった
そうやってしぃちゃんに声をかける
穂波ちゃんに続くようにみんなも声をかける
しぃちゃんはしばらくの間俯いていたが
ふと、顔を上げる
急いで反論しようとするも私の言葉は
しぃちゃんの言葉によって遮られる





















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。