青柳冬弥side
そう呟き、カイトは沈黙する
何かを思案しているようだ
…「誰にするか…?」
それって…、
まずいかも知れない、
もし俺の仮説が正しいなら…ッ
カイトがそう唱えた瞬間、
締め付けられるような頭痛した
横から、咲希さんの叫び声も聞こえる
…司先輩や、神代先輩も苦しそうだったが、
こんなに痛いとは…
想像を絶する痛さに、俺はその場に崩れ落ちる
彰人の声が聞こえる
彰人が言い終わる前にカイトさんが能力を発動する
…その後の記憶はもう無い
朝比奈まふゆside
あっという間に青柳さんと天馬さんが倒れ込む
そういえば…と、天馬くんの様子を思い出す
…あの時の天馬くんは、いつもの天馬くんとは真逆だった
ハイライトがなくて、全てを諦めたかのような…
そんな目をしていた
…もしかしたら、天馬くんも私と同じだったのかも知れない
だって、「完璧なスター」なんて、いる訳ないんだから
完璧な人なんて居ないから
完璧なんて、みんなの偶像でしかないから
完璧なんて、みんなの理想でしかないから
完璧なんて、どうせ存在しないものだから
そんなことを考えていると、
不意にカイトの声が聞こえた
ふと、浮遊感を覚えて下をみる
…地面がなくなっている、落ちている
空が、地面が遠くなる、遠くなって行く
…天馬くんの声が聞こえる
…私は目を瞑った。



















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。