第9話

31
2023/07/05 22:00
ー六日目ー

後一日。
桜 麗香
ふぁ…
昨日の夜そこら辺のビジネスホテルに泊まることにした。案外寝心地がよく、しっかり10時間睡眠をかました。筈なのに、…!!
桜 麗香
何でこんなに眠いんだか…
椿 瑠李
てっきりスッキリ目覚めたのかと
桜 麗香
私もそのつもりなんだけど
気づけば夜の8時。そろそろ出勤の時間だ。とは言っても都会の夜は此れからだと言わんばかりに賑わっている。もう少し待つか…
〜三時間後〜
桜 麗香
もう、11時なのにまだ賑わってんの!?そろそろ動かせろよ!?
椿 瑠李
まぁ、だいぶマシにはなって…無いな。なんなら盛り上がってんな
桜 麗香
はぁ…
〜二時間後〜
とうとう今日が終わってしまった。人はまばらに居るがこれぐらいなら動いても平気だろう。
桜 麗香
行くよ
椿 瑠李
了解
合図をした瞬間、一斉に走る。運よく敵は居なくてそのまま一度も止まることなく目的地に着くことができた。
ザッザッザザァー
桜 麗香
姉ちゃん起きてる?
桜 綺香
うん、起きてるよ
桜 綺香
眠いけどね
桜 麗香
そう、で?目的地に着いたよ
桜 綺香
相変わらずね(´;ω;`)
椿 瑠亜
綺香、大丈夫?
桜 綺香
えぇ、平気よ。ただ、少し悲しいだけ
桜 麗香
はいはい。とにかく教えて
桜 綺香
分かったわ(´;ω;`)
んん〜とねぇ〜…そこら辺に木箱無い?
桜 麗香
木箱?
椿 瑠李
んっ、これじゃね?
桜 麗香
ナイス瑠李
桜 綺香
あったぁ?
桜 麗香
あったよ
桜 綺香
それに麗香の今持ってる全力の力で拳振り下ろして
桜 麗香
分かった
拳を振り下ろそうとしてふと手を止めた
桜 麗香
瑠李、離れたほうが良いかも
椿 瑠李
了解
スッ、バコンッ!!
鈍く大きい音が鳴り響く
パキッ
桜 麗香
あっ、開いた
椿 瑠李
まぁ、随分とご立派な爆弾で
桜 綺香
開いた?そしたら色んな色の線があるでしょ?刑事ドラマとかだと、赤と青どっちを切る!?…とかあるんだけどね、今回は、全部切って
桜 麗香
は?(同時)
椿 瑠李
は?(同時)
桜 麗香
何言ってるの?頭狂った?
桜 綺香
導線を全部切ったら爆発するんじゃないかと思うのは分かるんだけど切って。全部同時に。
桜 麗香
……………
桜 綺香
不安なんだよね、分かるよ。この爆弾には東京都全体がかかってる。少しでも間違えれば詰み
桜 麗香
なら
桜 綺香
でも、麗香は知ってるでしょ?私が誰よりも頭がキレてることに
桜 綺香
何せ、私の作戦で失敗したことは無いんだからねっ☆
桜 麗香
スゥ…分かった。もし違ったら今後死んでも一生掛けて恨むから
桜 綺香
えぇ、受けて立つわ
桜 麗香
スゥ…、ハァ
私はもう一度深呼吸をして爆弾に向けて銃を向ける。
珍しく緊張して、口角が引きつる。冷や汗をかきながら笑うなんて生まれて初めてだ。

緊張している私をよそに瑠李はあたりを散策し始めた。こういう時の彼のマイペースは本当に助かる。今彼に見られていたら緊張が増して百の確率外すだろう。

ババンッ
覚悟を決めた私はすべての導線が重なるところを狙い線を切った。


ピーピーッ

何の音か分からない甲高い音がする。
桜 麗香
ッ…!!
ピーピーッ、ブッ

ボンッ
桜 麗香
っ!!
爆発音がして駄目かと思ったその時、爆発音と共に爆弾がバラバラになったになった。
桜 麗香
はっ、はっはっ…
緊張が一気に解けて思わず息が上がった。
桜 麗香
フゥ…
桜 麗香
終わったよ
桜 綺香
本当に?良かったぁ〜!!
桜 麗香
何で?最初からこうなるって分かってたんじゃないの?
桜 綺香
いやぁねぇ〜、本当は勘だったんだよね
桜 麗香
はぁ?あんだけ言っといて?
桜 綺香
うん。まぁ?でも?結果オーライってことで?ねっ!!(;´∀`)
桜 麗香
ちょっと、巫山戯ないでよ…私、
桜 綺香
私?
桜 麗香
ううん。何でもない。
桜 綺香
?…そう?
これはまだ言えない。姉さん達を助けてやっと言える言葉だから。まだ言えない。後ちょっと頑張ろう。
スタスタスタ
椿 瑠李
……
桜 麗香
どうかした?
急に瑠李が歩み寄ってきた。
ポフッ
桜 麗香
!?
急に頭の上から何が降ってきたと思ったら瑠李の手だった。
椿 瑠李
お疲れ
そう言うと、ワシャワシャと私の頭を撫で回してきた。
桜 麗香
ありがとう。助かった。
椿 瑠李
俺が何をしたかは分からないけど、助かったなら良かった
桜 綺香
仲良いわね
椿 瑠亜
仲良いとかそう言う次元じゃなくて最早熟年夫婦では?
桜 綺香
麗香が結婚っ!?嫌よそれはっ!!まだ早いわっ!!第一私が許さないんだからっ!!
椿 瑠亜
気にするとこそこっ!?
はぁ…これだからシスコンは…
温かい空気に包まれる中、瑠亜一人が遠い目をしていた。
END

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