あっという間のライブが終わって
裏口でジフンが出てくるのを待っていた
なんて、去り際に言われたけど
テヨンさんは俺のお母さんになったんだと思う。
待つこと数十分、
もう置いて帰ろうかな、なんて思い始めていた頃
爽やかに登場した
さっきは気づかなかったけど、軽くメイクをしてる
いや、さっきしてなかったよな、
もしかしてメイクしてもらって遅くなった?
最初からそう言えばいいのに
なんて冗談のつもりでそう言った
多分だけど、ジフンは
失礼な事を言ってるという自覚がないんだと思う
相変わらず拗ねやすいジフン
言えなかった事もあるし
今ならなんでも言えそうだ
そういえば拗ねていた事が嘘のように
昔見た笑顔になった
何個か突っ込みたい所があるけど
今日だけは黙ってジフンの言う通りに動いた
呼んでおいたタクシーに乗り込むと
ジフンはこれでもかと、俺に引っ付いた
軽くジフンを睨んでも
こいつはよそ行き用の顔で俺を見つめる
俺をまた少し見たかと思えば
直ぐに視線を運転手さんへと移して
ただ何も言わずにピタリと体を寄せた
タクシーが発進してから数十分
相変わらず俺との距離は近い
横目で見るとジフンは窓の外を眺めていた
そういえば、…そんな言葉を付け出して
ジフンがそんな事言うなんて珍しいよな
ほんとに、どうにかしたのかと思った
俺が活動休止した時だって
お前は何も言わなかったのに
ここ数年の間に人って変わるんだな…なんて
さっきまで外を見ていたのに
今の視線は外じゃなくて俺を捉えていた
ジフンはそれだけ言うと
いつものように笑ってみせた
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。