第9話

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2023/06/21 09:15
風磨side.








唖然と立ちすくんだ俺を置いて、
君は佐藤と歩いて行った。


その日の夜、君から来たメールは、
『ごめんね。明日から1人で登下校するから。』
一方的に突き放す内容で。



















次の日の朝は
そのメール通り君は俺の家に来なかった。



学校でも避けられ始め、
君との距離は離れていくばかり。



















健人 「俺知ってたけどね。」

予想外のあの出来事を友達に相談すれば、
あまりにも簡単に言葉を返された。


風磨 「は?」

健人 「見てればわかるよ。」

風磨 「だったら言ってくれればっ。」

健人 「言ってたら?どうなったって言いたいの?」


いつもふざけた事しか言わないくせに
なんでこんな時だけ、そんな真剣な顔するんだよ。




風磨 「それはっ…こんな風にならないように…」

健人 「告白なんてされないように、釘でも挿しといたって?」


健人の言葉に何も言えなくなる。



















『これでよかったんじゃない?』

良いわけないじゃないか。


『ずっと一緒に入れるわけじゃないし。』

そんなの…


『本当の家族じゃないんだから。』








あの後、健人から投げかけられた言葉を
1つ1つを思い出しては、
どうして良いか分からず…考え込む。


1人きりの放課後、深く息を吐いて、
帰ろうと鞄を持つ。


人のいない静かな廊下を抜けた時、
窓の外に見えた倉庫裏。



















風磨 「…なんなんだよ。」




人目を避けたように2人。

君と彼が立っていた。



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