💚side.
恋人に嫌な思いをさせてしまった。
簡単に一口で言ってしまえば、誤解だ。
だが今の俺には通用しない。
絶対幸せにすると決めたのになぁ…。
あー、やらかしてしまった…。
彼は部屋に行ったきり戻ってこない。
どうしよう…。
呼び掛けてみるか?それとも、放っておくべきか?
頭の中でぐるぐる回って止まらない。
そう考え、俺も自室に向かう。
廊下を渡って、ドアノブに手をかける2歩前。
小さな音を立てて、隣の佐久間の部屋が空いた。
1歩前になると、服を摘まれた。
ドアノブに触れた瞬間、
自分より小さくて温かい、華奢な体に包まれた。
小さく自分の名を呼ぶ、愛しい恋人の声がする。
それなのに、体が硬直して動かない。
振り返ると、自分の背に顔を埋めているようだった。
そう言うと、ようやく可愛らしい顔が現れ、
自分の顔を覗き込んだ。
ようやく、大好きな笑顔を見ることができた。
だけど、俺はもっと嬉しそうな君の笑顔が見たいんだ。
部屋の角にある整えられた机の上に
小さな箱が1つだけ置いてあった。
俺はそれを大切に持って、
リビングに戻った恋人の背中を追う。
箱を開けてみて、と声を掛けると
不思議そうに眺めながら
リボンを解いて、箱を開けた。
そこには、ピンク色に輝く
金のリングが入っていた。
思わず君を抱き上げてしまった。
その答えが、すごく嬉しくて。
びっくりした!なんて言う君は
さっきよりもキラキラとした笑顔になっていた。
ピンク色の君は、緑色の僕にぴったりで
きっとこれからも、それは変わらないはずだから。
だから、ずっとずっと一緒に笑おう。
雨が降っても、濡れても、苦しくても
止んで晴れるって分かっているから。
END














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。