第13話

fw : 惚れ薬 ②
1,039
2025/09/03 08:35 更新

























  ふわっち が まさか あんなに
  暗示にかかりやすい 気質だったとは 。

  まぁ確かに 、催眠術の企画の時には
  かかっている側の方だったし … 。




knmc
 だから と 言って 、
 アレは やりすぎたなぁ … 





  昨日は 、あの後 そのまま枕を共にしてしまい 、

  今朝は 彼より早く目覚めたのを良い事に
  置き手紙だけ残して そのまま出てきてしまった 。




knmc
 うわっ 





  手に持っていたスマホが震える 。
  …もちろん 、情を交わしあった相手からの着信だ 。

  1時間前くらいから10分ごとにかかってきている 。
  置き手紙は残したのにな 。




knmc
 …… 
knmc
 … そうだ 

























 □ ■ □ ■ □ ___ …



















 tkn
 … えぇ?ミヒェルゼンに
  変なものは入っていないか って? 





  ふと思い立ち 、僕が 訪ねたのは 委員長の家 。

  
  昨日の彼の様子を思い返してみれば 、
  僕を見つめるその瞳はとても熱かった 。

  あの様子からして 媚薬的な何かが
  入っていたと言われた方が納得できる 。


knmc
 そう 、なんか こう … 
 気分がたかぶったり するような … 



 tkn
 いや 、ただの氷砂糖ですよ? 



knmc
 あー … そっか 、ありがとう 



 tkn
 どうしたの急に 



knmc
 えっ 、いや その … 
knmc
 ふ 、ふわっち と 飲んだんだけど 
 やけに甘かったなぁ って …





  嘘ではない 。

  僕は別にそんな感じはしなかったけれど 、
  彼は 甘い と 言っていたのだから 。




 tkn
 ふわっち ? 
 tkn
 この前 は そんなこと
 言ってなかったけど … 



knmc
 … え? 
knmc
 こ 、この前 ? 





  聞けば 、例の 氷砂糖入り紅茶に感動した委員長は
  様々な同僚たちに 紅茶を振舞ったらしい 。

  その中には ふわっち も 含まれていたという事で …




 tkn
 ほんのり甘くて美味しい って 
 言ってたかな 、確か …
 tkn
 ミヒェルゼンを見て
 綺麗って 言ってたよ 





  その言葉を聞いて 、
  頭が殴られたような 衝撃が 走った 。




knmc
 ( … ふわっち は 、) 





  あれは ミヒェルゼンというもので
  惚れ薬で ないことは とっく に 知っていた 。

  では なぜ あのような言動を取ったのか 。



  イヤ な 考えが 頭の中を 支配し始める 。




knmc
 ( …… ) 





  … あぁ 、




knmc
 ( 僕は 、) 





  ____ … 遊ばれていたんだ








































 □ ■ □ ■ □ ___ …



















 fw
 …… っ もちさ 、 
 fw
 今までどこに … ! 
 




  委員長には申し訳ないけれど 、
  ことの原因となった紅茶をこれ以上 見たくなかった 。
  
  そして ふわっち はコレを美味しいと言っていた 。
  だから 、コレは もう あげることにした 。




knmc
 … 



 fw
 … とりあえず入ってや 



knmc
 … いや 、これ渡したら帰るので 





  紅茶の茶葉の缶を 彼に差し出す 。
  これを置いて 、今すぐにでもここを去りたかった 。

  例え ほんのたわむれに 彼が 僕を 遊んだ のだと しても
  彼を嫌いになることなど 出来るはずもない 。

  けれど 、今は 彼の顔を見るのが辛かった 。




 fw
 … なんで 



knmc
 なぜ ? 





  急激に込み上げてきた感情に 、
  とうとう 張り詰めていた糸が切れる 。


  きっ 、と 顔を上げてにらむと 、
  その拍子ひょうしに 涙が こぼれ落ちた 。


  僕の涙を見て 、彼の瞳が 見開かれる 。




knmc
 不破くん に とって
 一時の気を紛らわす遊びでも 、 
 僕は真剣でした



 fw
 …… 何を言って … 





  話し方を敬語に戻し 呼び方も戻せば
  彼の眉間みけんしわが寄った 。

  遊んだ相手に 何をそんなに
  不機嫌になっているのだろうか 。




knmc
 僕の嘘に騙されたフリをして 、 
 でも騙されていたのは
 僕の方だったんですね



 fw
 もちさん 、違う 、それは 



knmc
 … 舞い上がっている 僕の姿は 
  さぞかし滑稽こっけいだったでしょう 





  彼の ちょっとした冗談に   
  本気で傷ついて泣くような自分を 、
  これ以上 見られたくなかった 。

  だから きびすを返し 走り出そうとしたとき 。




 



  後ろから 強い力で 抱きすくめられた 。
  こんな力があったのかと思うくらいで 、
  むしろ 掴まれた腕が少し痛いくらいだった 。




 fw
 聞いてほしい 





  フワリと頭が 僕の肩に乗せられ 、
  彼の柔らかい声が 耳の近くで 発される 。




 fw
 惚れ薬なんかやない事は 知っとった 



knmc
 …… っ 





  やはり 。


  腕ごと 抱え込まれている せいで 、
  ぬぐうことすら出来ずに ぽたりぽたり と垂れる涙が
  ふわっち の そでを 濡らしていく 。




 fw
 やけど もちさんの嘘に便乗すれば 、
 俺の気持ちを伝えられると思ったんや 





  …なんだって ? … 今 、何と言った 。
 
  彼の言葉に 色々な感情が押し寄せてきて 、
  上手く 思考が まとまらない 。




 fw
 … っずっと 、好きやった … 
 fw
 でも 、もちさんの事 大切にしたくて 
 fw
 触れたくても 、それは
 良くないって 思っとったんや 





  だけど 、と呟くような言葉の後 、
  彼の額が ギュッと 僕の肩にうずめられた 。




 fw
 俺の気持ちを知っても
 もちさんが拒まんって分かって 、
 … たがが外れてもうた
















 fw
 ずるい男に捕まった と 
 思って 、諦めて欲しい 







  耳に吹き込まれる 、柔らかいけど
  拒むことを決して許さないような 、そんな声 。



  肩越しに見える 銀髪が フワリと揺れる 。

  僕を抱きしめる腕の力は少しも緩まない 。
  まるで逃がさない 、とでも言うように 。




knmc
 …… 、 





  昨日の 彼の言動が 次々と 頭をよぎる 。




 fw
 『 来てくれて嬉しい 』 



 fw
 『 新婚みたいすね 』 
 fw
 『 夫婦のティータイム的な? 』 





  … あぁ、アレは 冗談なんかじゃなくて 、
  





  … 好きというゆえ
  想いが込められている言葉だったんだ 。




  もしかしたら 、彼は 今までにも
  そうやって 愛を伝えていてくれたのかもしれない 。
























































knmc
 ___ … 惚れ薬の効果が  
  一生続くと約束してくれるのなら 、 
knmc
 … 許してあげてもいいよ 









  一瞬 ふわっち の 拘束こうそく が 緩んだ すき
  くるり と 振り向いて 彼と目線を まじえると 、

  狡い彼は 見開いたアメジストを 細め、
  正面から 僕を抱きしめて 再び 肩に顔をうずめた 。


  

  そして 次の瞬間 、
  首筋に優しく噛みつかれる感覚が駆け巡った 。






























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