新しい仕事に慣れるのは、想像以上に大変だった
スケジュールの管理、移動の手配、衣装や小物の準備…
だが幸いなことに、メンバーたちは優しかった
練習後に機材を抱えていた私に、ヨシさんがさりげなく声をかけてくれる
ドヨンさんが差し入れのサンドイッチを渡してくれる
ヒョンソクさんとジフンさんは、常に気遣いを忘れない
――彼らのおかげで、私はなんとか踏ん張れていた
だけど、
通路ですれ違った瞬間、低く吐き捨てる声
初めの頃は理不尽なことでもアイドルとマネージャーっていう立場から謝ったりもしていた
だけど、そんなことでは関係が改善されるわけなくて
「……遅い」
「そんなの、誰でもできる」
「近寄るなって言っただろ」
アサヒの冷たい言葉は、日に日に鋭さを増していた
初めのうちは「嫌われても仕方ない」と飲み込んできたけど、積み重なるたびに心の奥で黒いもやが広がっていく
ある日の出来事がついに我慢の糸を切った
練習室、
休憩中、差し入れの飲み物を配っていると、アサヒが冷たく言い放った
その一言に、胸の奥で燻っていた怒りが一気に燃え上がった
アサヒが驚いたようにこちらを見た
胸の奥に積もっていた重苦しさがスッと消えていくのを感じた
アサヒは、呆然としたように私を見つめていた
普段ならすぐに冷たい言葉を返してくるはずなのに、
今は何も言ってこなかった


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。