第2話

白髪青眼のイケメン神主
404
2022/11/08 09:25
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
さてと…
家の外に出たは良いけど…
どこに行こう…
歩きスマホをしながら、独り、そう呟く

家を飛び出してきたは良いものの、目的地がないのだ。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
散歩するってことは、運動したかったってことだから…
やっぱり運動した方が良いのかな?
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
でも、運動とかなるべくしたくないなぁ
キョロキョロと辺りを見渡し、手軽に運動できそうな場所を探す。

まず、公園の遊具が目に入った。

近付いてよく見ると、置いてある遊具は

・すべり台
・ブランコ
・砂場
・動物の形をした、バネに乗っかってるやつ

だけだった。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
うーん
ここで遊んだら、目立つかなぁ
下手したら通報されるかも
仕方ないので、公園での運動は諦め、再びキョロキョロと辺りを見渡す。

次は、フィットネスジムが目に入った。

ぼくは、そこには近付かず、別の場所を探すことにした。

え?
だって、ぼくはリン○フィットも長続きしないんだよ?

フィットネスジムなんて、お金の無駄になるかもじゃん
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
なかなか見つからないね…
はぁ…と、ため息を吐き、諦めようかと思ったその時、ふと、石でできた長い階段が目に入った。
上を見上げ、その階段が続く先を見ると、遥か上に赤い鳥居が見えた。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
あれ?
こんなところに神社なんてあったっけ?
疑問に思いつつも、そういえば『階段を登るのはスクワットをするのと同じ効果がある』という話を思い出した。

神社に続く階段を登るだけならお金もかからないし、そんなに辛くないし、通報されることもないだろう。

ぼくは、その石の階段を登り始めた。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
はぁ、はぁ、はぁ…
どこまで続くの、この階段!?
あまりにも長すぎる階段にぐちぐちと弱音を吐きながらも、ようやく一番上にたどり着いた。
ドサッとその階段に座り、休憩する。

ぜぇ、はぁ という自分の呼吸の音と、過去最高の速度で脈打つ心臓の音だけが耳に届いた。
しばらくして、呼吸が落ち着き、立ち上がる。

改めてその神社を見ると、割と新しいものなのか、鳥居が意外と綺麗なことに気がついた。
誰か手入れをしている人がいるのだろうか。

ここまで来てすぐに引き返すのはなんだか勿体無い気がしたので、そのまま鳥居をくぐる。

石畳を辿っていくと、賽銭箱が置いてある神社の本殿(?)についた。
ごそごそとポケットを漁ると、運良く五円玉が入っていたので、それを賽銭箱に入れ、パンパンと手をたたく。
そして、心の中で願い事を唱え、一礼する。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
さぁ!帰ろう!
クルリと右回転し、さっき来た道を辿ろうとした。

すると、端の方で、箒を片手に持った巫女さん…

いや、神主さんらしき人を見つけた。
雪のような白髪と、そこから覗く澄み渡った空のような青色のマリンブルー瞳。

薄い唇はほんのりとした桜色で、あまり日光に当たっていないのか、肌は透き通るような白色だ。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
わぁ…
かっこいい…
思わずうっとりと見つめてしまう。
彼はただ、手に持ったどこにでもあるような箒で石畳を掃除しているだけ。

ただ、そんな何気ない行動にすら気品を感じてしまうのだ。
ぼくがじっと見つめすぎていたのか、視線に気づいた様子で、神主(仮)さんは顔を上げ、こちらを見返した。
ゆったりとした動作に、『おぉ…』という感嘆の声を思わず漏らす。
???
???
…?どうかなさりましたか?
少し気だるげな低音だ。

見た目だけでなく声までカッコいいのか。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
あ、あの、えぇと、なんでもないです!
緊張してたどたどしい喋り方になってしまったが、そんなことよりも、美青年神主(仮)さんと話せたことが嬉しかった。
???
???
そうですか。
それにしても珍しいですね。
参拝してくださる方なんて…
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
そうなんですか?
というか、この神社、いつからあるんですか?
この近くに住んでいるのですが、始めて来たもので…
???
???
近所の方だったのですね!
この神社はいつからあるか、ですか…
そうですね、貴方が思ってるよりも最近ですね。
神主さんは、片眼をパチッと閉じて、茶目っ気たっぷりにウインクした。

かっこよ…!
???
???
あの、僕の顔になにかついてます?
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
…!
いやいやいや!何でもないですよ!
そんなにじっくりと、見ていたのだろうか。

神主さんは手のひらを頬に当て、変なものがついていないか確かめている。
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
あ、ぼく、そろそろ帰りますね
また来ます。
少し気まずくなったぼくは、退散することにした。

だって、神主さんとはまだ話したいけど、このまま長々といて、『しつこい人』だと思われてもいやじゃん!?
???
???
そうですか。
では、またのお越しをお待ちしております。
神主さんはニコッと笑って一礼した。
ぼくは、再び石畳を辿った。

頭のなかは神主さんのことでいっぱいだ。

最後にもう一度だけ、神主さんを見たい。

そう思って、振り返った。
神主さんは再び掃除を始めているのかと思いきや、まだぼくを見送っていた。

ためしに、『バイバイ』と手を振ると、神主さんも振り返してくれた。

あ、神主さんが何か言ってる。

よく聞き取ろうと、耳を澄ます
???
???
階段ありますよ!?
落ちますよ!?
名探偵なろ屋
名探偵なろ屋
え…
おそるおそる下を見ると、階段に気づけなかったぼくの左足は、何もない空間に踏み出していた。

そして、そのまま、ぼくの体は、うまくバランスを取れずに、石の階段を転がり落ちた。
作者
作者
今回はここまでです
作者
作者
やっと、登場人物がもう一人出てきましたよ。
作者
作者
まぁ、正体はタイトルから予想できますよね…
作者
作者
さて、階段から落下したなろ君は、この後どうなるのでしょうか!?

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