一緒に視線がぶつかる
それだけを言って 柊は席を立つ
水が短く鳴った
__俺は、逃げてた
考えないようにもしてた
でも逃げたままじゃ何も変わらない
始まった瞬間 空気が変わった
柊と、佐狐君の拳がぶつかる
鈍い音
蹴りが床を打つ
呼吸が荒くなる
汗と鉄の匂い
次の瞬間__
衝撃
柊の体が宙に浮く
時間が止まったみたいだった
短く 吐き捨てる
口元を拭う
柊の指先は赤
それでも立つ
目だけが鋭くなった
そこから
踏み込む
拳が鳴る
音が変わる
ゆかに赤い粒
佐狐君が一歩下がった
だけど 柊は 前に出る
__彼はもう大丈夫だ
最後は短い 衝撃
柊が佐狐君をステージの下の端に寝かせる
乱暴ではない
むしろ 過去の2人が優しく写っていた
__次は俺の番だ













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。