建物を出て息をついた。この後は簡易的に用意された家...と呼んでいいのかすら分からない家に帰って休むつもりだった。
途中でその予定は変わったのだけれど
歩いていると、真っ暗な街の中にどこかからか光があることに気がついた。
休みたい気持ちもあったが、好奇心には逆らえず光の方向へと足を向けた。
10分も経たない間に光の元へと辿り着いた。
戦争途中からすっかり見かけなくなってしまった飲食店だった。
ここまで来たんだし...と思い、その店へ入った。
扉を開けると扉についてあったベルがなった。
見れば分かることを聞かないでくれ...自分でも1人なのが虚しく感じてきた。
言われた席に座った。どんな感じのものあるんかな...と思いメニューを探した。
その言葉が自分に向けられていることに気がつくのに少し時間がかかった。
結構長いなって思ってたからそれは助かった。
誰も来てくれなかったってことはいつもは誰かと来ているのかもしれないな...俺とは別世界の人のようだ()
急にめめさんがそんなことを言った。
思わずそんな声が漏れた。いや、仕方の無いこと、急に組織の勧誘なんてされたらこうもなるわ
俺を入れるくらいなら他の人入れた方が絶対いいってぇ...絶対後悔されるだろ...
聞いて逃亡するか...とも考えてみたが、この人能力者だろうしすぐ捕まるかと思い諦めた。
...その次の言葉をめめさんが放つと、時間が止まったような感覚に襲われた。それほど、衝撃的なものだった。
国に対しての反逆など、この国では許されていなかった。企てるだけでも即逮捕、無期懲役などになってもおかしくない
組織を作るためにも国からの許可が必要とされている。国に知らせていないのだろう、こんなこと国にバレたら即終了だ。
色々って...国を許せなくなる程だから相当だ。どんなことされたんだよ...
あまりにも強引すぎる。そんなこと一切聞いていなかった。
もう逃げれんな...そう悟った。めめさんの能力だと思われるもので足が動かなくなっている。
俺を入れて何がいいのか...全く理解できなかった。
食事と会計を終えるとめめさんがそう言った。
店を出た
そんなことを話して10数分、大きい家の前でめめさんが止まった。
扉を開けためめさんが俺の方を向いてこう言った。
めめんともり
"めめ村"という組織のリーダー(村長)をしている。性格は強引だったり身内に対しては悪ふざけが多いがちゃんと周りのことは見ることが出来る。
めめ村
めめんともりが作った組織非公式の国への反逆組織。メンバーは全員同じ家で暮らしている。メンバーは現在12人。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。