序章に記載した設定の中に一部誤りがありましたので訂正しております。
覚えている方はあまりいらっしゃらないかとは思いますが、念の為確認をお願い致します。
2025年6月22日
デイリーランキング(ミステリー)62位
ありがとうございます🎉🎉🎉

沈黙を破ったのは心雨だった。
男に踏まれて汚れた何かを指差し睨みつける心雨。
今まで舐めた態度を取っていた相手が自分に説教を始めたと分かった途端、更に機嫌を悪くする男。
それに挟まれ卒倒しそうになるのを耐える尊。
ヒュンッッ
唖然とした。
小さな風切り音。
頬から微かに血を流す眼前の男。
背後の木の幹に刺さる簪。
心雨が棒手裏剣のように打った簪が男の頬をかすめて木の幹に刺さったことを遅れて理解する。
遅れて理解したのち、とんでもないところに割り込んでしまったと後悔する尊。
自分が当事者なら死んでいた。
というかそもそも自分は人のものを勝手に踏みつけるような人間に育った覚えはない。
心雨の放つただならぬ殺気を今更感じ取ったのか、男はじりじりと後退る。
短くも絶対的な殲滅の宣言。
背中の刀に手を掛けた心雨の腕を反射的に掴む。
俯きがちに喋る尊と、それをきょとんとした顔で振り返り見る心雨。
次の瞬間には、お前絶対滅殺するわ死ねとも言いたげなあの気配はどこかへ消え去っていた。
それを感じて、一呼吸置いて尊が礼を言う。
そう言って駆け出してしまう。
一瞬呼び止めようか迷ったが、たかが今日ここで顔を合わせただけの関係だ。
無闇に引き止められても困るだろうと、伸ばしかけていた手を静かに下ろす。
あの子のあれは優しさだ。
さっきの男の人と何があったかは知らないが、少なくとも尊はそう思った。
優しくて強い、人のことを守れる人。
そんな風になりたいと望んだあの日から、尊は死ぬ気でここまで鍛錬を積んできた。
次の瞬間、頭上を飛んでいた鴉が一斉に鳴き出す。
「集合」の合図だ。
さっきまで群がっていた参加者たちもはけ、尊も慌ててそれに続く。
森の木々は既に、地面に影を落とし始めていた。
少し離れた森の中。
心雨は始まりの地点へ向かうでもなく一人呟く。
次回 書けたら投稿
これは作者が気が向いたときにおまけでつけるコラムのようなものです。
ぜひぜひ楽しんでいただけますと幸いです。m(__)m
(追記:今回滅茶苦茶長くなりましたすみません)
【桜の小噺】
鬼桜隊の刀が鬼の首を斬ることができる原理は、某鬼を滅する漫画を参考にさせていただいたのでそちらをご参照ください。
刀の種類は隊員によって若干異なります。
八重桜蘭(🌸)、翠屋須智(🍵)、神崎尊(👑)の3名は打刀と呼ばれる普通の日本刀です。
鬼桜隊員のほとんどがこれと同じものを使っています。
またこちらはネタバレになるので深くは言及しませんが、🍵さんは刀の他に色々な小道具も使います。
雨野心雨(☔)は大太刀と呼ばれる日本刀です。
打刀に比べ反りが強く、またサイズも相当大きいものとなっています(作者の好みでどうしても大きいのを持たせたかったので特注という設定にしました)。
種類は異なりますが某オリ曲で☔さんが持っている剣より一回りほど小さいくらいの大きさです。
当たり前ですが刀は金属なので死ぬほど重いです。
紫宮入魔(📢)は通常の打刀に加え拳銃を使用します。
こちらは某鬼を滅する漫画に出てくる主人公の同期の武器を参考にさせていただいたのでそちらをご参照ください。
第一章には登場しない予定ですが(作者の技量不足ですみません)、日間夏生(🍍)は二刀術です。
刀はどちらも忍者刀のようなものとなっています。
二刀術は殺傷能力が低くリーチが短いため不利とされていますが、その辺りは後々本編にて明かそうと考えていますのでお楽しみに。
なおこちらは某怪獣漫画に出てくる副隊長の専用武器を参考にさせていただいたのでそちらをご参照ください。
ここまで読んでくださった方は察しがついていると思いますが「僕だけの声を」があまりにも好きすぎる作者が書いています。
🌸さんの配信の切り抜きが上がっているので布教がてら失礼します。
それではまた次回お会いしましょう!
コラムに650文字費やしました。すみませんでした。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。