月明かりが差し込む怪盗団ファントムの拠点で、るるかは冷たい床に座り込み、高級なアイスクリームを口に運んでいた。
あんなたちに正体を知られ、拒絶されることを恐れた彼女は、自らの意思で「居場所」だったはずの怪盗団へと戻ってしまったのだ。
その瞳に宿るのは、いつもの天然な輝きではなく、深く凍りついた孤独だった。
一方、探偵事務所。ジェットは苛立ちをぶつけるように、空になったキャンディの袋を机に叩きつけた。
あんなが頭を下げる。みくるも不安そうにジェットを見つめた。
ジェットは驚いたように二人を見やり、やがて小さく笑った。
ジェットは新しいキャンディを一つ、口に放り込んだ。
決戦は、霧に包まれた教会。るるかの前に立ちふさがったのは、彼女をどうしても味方にしたいウソノワールだった。
「さぁ、キュアアルカナ・シャドウ。その力で、忌々しい探偵のプリキュアを葬るんだ」
るるかが虚ろな瞳で手をかざした瞬間、爆風とともに倉庫の扉が吹き飛んだ!
煙の中から現れたのは、プリキットを構えたジェットと、変身したアンサー、ミスティックの三人だった。
二人の叫びが、るるかの心を揺さぶる。
ジェットが叫ぶとともに、あんなとみくるが道を切り開く。
二人の必殺技がウソノワールの部下たちを釘付けにする。その隙間を縫って、ジェットがるるかの元へ駆け寄った。
ジェットは、るるかのポケットに、もう一つのソーダキャンディをねじ込んだ。
るるかの瞳から、一筋の涙がこぼれ落ち、アイスのカップを濡らした。凍りついていた心が、ジェットの熱い言葉と、あんなたちの真っ直ぐな友情に溶かされていく。
漆黒のオーラが消え、純粋な光を纏ったキュアアルカナ・シャドウが再び舞い降りる。それは、誰かの道具ではない。自分の居場所を守るための、真の覚醒だった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。