18号side
時計は朝の10時を指す、
久しぶりにまちこに電話をかけようとするとスマホを持つ手が何故か震えている
きっと………ニキニキの言葉を信じたくないから
私は呼吸を整えてまちこに電話をかけた
無機質なプププ、という機械音が一定のリズムで流れる
時間はやけに長く感じられ、もうまちことは関われないんじゃないか、と思ったほどだった
数十秒経って出てきた声は変わらないまちこの声だった
でも何かに怯えているまちこの声だった
それでも
わたしは親友の声が聴けて嬉しかった
だからきっと泣いていたんだ
優しい声は変わってなくて
お母さんみたいに温かくて
だからニキニキの言うように
「変わってしまった」
という事実を余計に信じることが出来なかった
そう言うまちこは電話越しでも消えてしまいそうだった
その言葉は私ではなく、まちこ自身に言っているようだった。
まちこが何か言いかけたとき、ものすごい物音が電話越しから聞こえた
次に聴こえたのは男性の怒鳴る声
いや、ただの男性じゃない
聞き覚えのある声
まちこのその言葉は電話を切る、という意味ではなく
私たちとの縁を切らないと
そう聴こえた
私の声は届かずツーツーと無機質な機械音に入れ替わる
私の耳には
かつてのメンバーだったせんせーの怒鳴り声と
親友の切ない声が残っていた
ニキニキの言っていたことが今更になってわかる
「2人とも正常じゃない」
「おかしくなっていた」
その意味が今更わかったんだよ
せんせーはまちこを異常な愛で束縛してることも
まちこはその愛を受け止めて、せんせーに何されても許してしまっていることも
その日、まちこと私が会話したのは最後になった
せんせーやまちこに電話をしても繋がらず
まちこの家は売り出されていて
せんせーの家を訪ねても人が出てくる様子はなかった
ああ2人とも今どん底にいるんだ
狂った愛で共存している
そんな彼らに希望はなかった
ほんと更新遅れてすみません。
まじでスランプ状態でした、











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!