あなたside
翌日
2時間目の終わり。いわゆる休み時間。
私は席に座ったままぼーっとしていた。
そんな私の前の席に座り、
私の顔の前に手を振る花。
言えるわけない。
昨日、頑張ろうって話をしたばっか。
なのにキスされたなんて……また疎遠になっちゃう…。
だから言えるわけない。
私は、昨日のことを全て話した。
花は私の肩を掴んで立ち上がる。
私は困惑して固まってしまった。
花の猛烈な意思に言葉を失っていた時、
私が返事に困っていた瞬間、
キーンコーンカーンコーン
そう言って廉は自分の席に戻った。
私は目を伏せて、ただただ、廉を見なかった。
見れば、昨日のことを思い出してしまう。
そして、幼なじみとして見られなくなる。
先輩を…傷つけることになる。
それだけは……もう嫌だ。
昼休み、廉が私を呼んだ。
私は警戒しながら屋上へ着いて行った。
屋上
廉は勢いよく私に頭を下げた。
私は突然の事で、驚いてしまった。
そう言うと、ゆっくり頭をあげる廉。
その瞳は、揺れている。
廉を恋愛対象に……。
そんなの想像したことなかった。
高校に入学しても、想像したことない。
私はずっと、先輩に夢中だったから。
矛盾してるだろう。
でも私は、覚えてはいたくない。
けど忘れるのは、違う気がする。
そんな感情が私を襲う。
なぜなら私はあの時……。
先輩といる時ほどに、ドキドキしていたから。
𝐍𝐞𝐱𝐭➸













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。