第9話

残飯 ―ゴミ箱の底の聖域
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2026/02/18 11:14 更新


混ざり合い、汚れ、忘れられた先にあったのは、
誰にも邪魔されない「二人だけ」の聖域だった。



薄暗くて生臭い箱の中。
その中には、ひきわり納豆のフィルムに僅かにこびりついた豆子ちゃんがいました。
たまに天井が明るくなって、ゴミが降ってきて、また暗くなる。豆子ちゃんは一人で寂しく佇んでいました。

豆子ちゃんは、人間を恨んではいませんでした。
ひきわり納豆を1粒残さずフィルムから外すなんてこと、ほぼ不可能だって分かっていますから。

ひきわり納豆である以上、
誰かが担わなければならない犠牲者の役割。
それを引き受けることになったのは私だ。
豆子ちゃんはもう分かっていました。

ある日、また天井が明るくなって、ポテチの袋が降ってきました。
その袋の中からポロッと何かが落ちてきて、ひきわり納豆のフィルム越しに豆子ちゃんに触れました。

それはポテチの底に溜まったカス、ポテ美ちゃんでした。
ポテ美ちゃんはこう言いました。「私は細かすぎて人間の手じゃ掴めないからね、仕方ないよね...」豆子ちゃんはポテ美ちゃんと何か似たものを感じました。

わざと捨てられたわけではない、残飯とも呼べない存在。
私達なんとかならなかったのかな、と2人で駄弁りながら、また天井が明るくなるのをぼーっと見つめていました。

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