そして私は教室に置いていた弁当を持って
生徒会室に向かった。
奏耶。いなかったな。
どこ行ったんだろ。
その言葉が聞こえた方向を見ると。
あの女の子今日朝奏耶にアピってた子だ!!
肝心の相手が柱で見えない。
でも、ということは相手は奏耶...?
この声。奏耶じゃない。
なんだ...
女の子の声で少し驚いて、体がビクッと反応した。
簡単に好きな人は変えられない。
その通りだ。
本気で好きなら、なかなか普通には戻れない。
そんなすぐには好きの気持ちが収まらない。
確かに言われてみれば。
そりゃあ少しは嫌だった。
でもあなたちゃんとくっついて、思ってたよりは
ショックじゃなかったんだよ。
それってさ。
私って本当に瞬のこと...
....
本当にわかんないんだよ。
最近こういうことが多い。
無意識に言葉が出てる。なんで?
奏耶が見つかってよかったって。
話せて嬉しいって。
なんで思うの?
私と話す時の瞬の顔が少し赤くて。
いつも嬉しそうなのは。
私のことが好きだから?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!