第50話

#49 これから先のこと
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2026/05/18 13:00 更新





屋台をいくつも回って、

焼きそばを食べて、

たこ焼きを食べて、

かき氷まで食べて。



気づけば、2人とも

お腹いっぱいになっていた。



jk「……食べすぎました」

v「だな」



先輩が少し笑う。

そのとき、

遠くからアナウンスが流れる。



『まもなく、
 打ち上げ花火を開始いたします』



その言葉を聞いて、

俺は少しだけ考えてから、

立ち上がった。



jk「…先輩、いい場所知ってます」

v「いい場所?」

jk「はい」



少しだけ得意げに言うと、

先輩は「ふーん」と

興味ありげに立ち上がる。



人混みとは逆の方向へ歩き出す。



屋台の明かりが

だんだん遠ざかって、

音も小さくなっていく。



坂道を上って、

さらに奥へ。



息が少し上がる頃、

開けた場所に出る。

高台の広場。



ベンチがひとつあるだけの、

静かな場所。



案の定、人はいない。

夜空には、

星がはっきり浮かんでいる。



v「……すご」



先輩が小さく呟く。

その声を聞いて、

少し嬉しくなる。



…連れてきてよかった。



ベンチに腰掛ける。

すぐ隣に、先輩も座る。

距離は、自然と近い。



少しだけ沈黙。

風が静かに通り抜ける。



そのまま、

また、唇が重なる。

さっきよりも、深い。

触れるだけじゃなくて、

ゆっくり、

確かめるみたいなキス。



jk「……っ」



思わず、息が漏れる。

胸がぎゅっと

締め付けられるみたいに

苦しいのに、嫌じゃない。



離れたあと、

先輩の手が頭に触れる。

ゆっくり撫でられる。

それだけで、力が抜ける。



そのまま、

肩が少し触れたまま、

時間が流れる。



気づけば、

遠くの空に、

光が上がる。



___ぱんっ



遅れて、小さな音。

花火が開く。

ここからは

少し距離があるから、

音は控えめで、

光だけが静かに広がる。



jk「……綺麗」



小さく呟く。

その横で、

先輩が口を開く。



v「……ジョングガ」

jk「はい」

v「俺さ」



少し間を置いて、



v「……大学、
 内部進学はするんだけど」



夜空を見たまま、続ける。



v「留学……
 したいと思ってるんだ」

jk「……え」



少しだけ、心が揺れる。

でも、先輩は続ける。



v「夢のためにね」



花火の光が、横顔を照らす。



v「いつか、店を経営したいんだ」

v「自分の店、持ちたくて」



その声は、静かだけど、

ちゃんと強さがあった。



v「だから……
 それに、少し時間が
 かかるかもしれない」



最後だけ、

少しだけ弱くなる。

俺は、その横顔を見る。



……かっこいい。



素直にそう思う。

少し寂しい気持ちもある。

でも、それ以上に、

その夢を話してくれたことが、

嬉しい。



jk「……俺は」



口を開く。



jk「先輩の夢、応援しますよ」



自分でも驚くくらい、

すっと言えた。



先輩が、

少しだけこっちを見る。



v「……いいの?」

jk「いいもなにも」



少し笑う。



jk「先輩が決めたことじゃないですか」



花火が、

また空に広がる。



jk「それに」



少しだけ、声を落とす。



jk「……待つの、慣れてますし」



その言葉に、

先輩が目を細める。



v「……寂しくない?」



聞かれる。

正直に言う。



jk「……寂しいです」



少しだけ間を置いて、



jk「でも、それ以上に」



先輩の手を、そっと握る。



jk「先輩のこと、好きなんで」



逃げずに言う。

花火の光が、重なる。



先輩が、

ゆっくり息を吐いて、

手を握り返す。



v「……ずるいな、ジョングクは。」



小さく笑う。



jk「なんでですか」

v「引き止めないから」



その言葉に、

少しだけ考えて、



jk「……引き止めたら、
 行かないんですか」



って聞く。

先輩は一瞬黙って、

それから、

少し困ったように笑う。



v「……行くけど」

jk「じゃあ同じです」



即答。

少しだけ、2人で笑う。



花火が最後の大きな音を立てて、

夜空に広がる。

その光を見ながら、

俺は思う。



……これから先も

簡単じゃないかもしれない。

でも、

……それでもいい。

この人となら。

そう、ちゃんと思えた。










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