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第1話

「速度しか取り柄のない俺が実力主義の世界を生きる」(ファンタジー)
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2024/03/16 14:11
この世界には、「ステータス」が存在する
ステータスは人が生まれてきた時に神によって振り分けられ、攻撃力、防御力、速度、魔力、魔法攻撃力、魔法防御力の内、合計が10になるように振り分けられる、その人間の性能の基準となる物だ
そしてステータスによって人間や役職も分けられる
基本型バランス
全てのステータスに3〜1ずつ振り分けられる
バランスはどの役職にもなれるが次の人種には劣る
特化型ハイロー
どれか一つのステータスに4以上振り分けられていて、残りは基本的に1か2である
ハイローは役職は限られるがかなり強力な人間になれる
そして最後
異端者エラー
ステータスの内、2つ以上のステータスが0である
このステータスは使える時が限りなく0に近く、存在を否定される
かく言う俺のステータスはと言うと…
攻撃力0防御力0速度10魔法攻撃力0魔法防御力0魔力0
…そう、俺はエラーだ
ましてや攻撃力0なんてまともに戦えない
しかも防御力が高いとHPも高くなるのに0だから俺のHPは常に1
そしてこの速度のせいでよく調整を間違えて壁を壊すこともある
この世界は、実力主義だ
魔物がうろついてるからそれを殲滅するために「ギルド」があるが、俺は最低ランク
しかも役職も「盗賊」で普通ならスピードど攻撃力を活かして戦うが、俺は1ダメージしか出せない
サムラ
サムラ
本当に、理不尽だよなぁ
俺は一人、そう呟く
今までなんやかんや言ってきたが簡単に言えばこの世界はRPGだ、強いやつは高い地位、俺みたいなやつはゴミ扱いだ
夜夜
夜夜
おや、やっぱりここにいたのか
こいつは夜夜やや、ステータスは全てが5という常人を超越しているので国から魔物殲滅のリーダーである「勇者」の役職を得た
そしてなぜか俺に絡んでくる変人だ
サムラ
サムラ
はあ…また「一緒に来てくれ」か?
夜夜
夜夜
もちろんだ、君には特別な力があると思ってるからな
サムラ
サムラ
いやだね
俺はそう言って全速力で逃げる
夜夜
夜夜
全く…「神速」
夜夜はそう呟くと俺よりも速いスピードで迫ってきた
サムラ
サムラ
毎回思うがなんだよそのインチキは!
夜夜
夜夜
これは魔法だ、インチキなどではない
サムラ
サムラ
魔法だとしても俺について来れるのは異常なんだよ!
夜夜
夜夜
神速は一定時間スピードを2.5倍にする魔法だ、私のスピードは5だから12.5、君より高いぞ
俺も魔法が使えたらな
魔力が0だから魔法とか特技が使えないんだよ
…いっそのこと武器を取り出すか?
…いや、一発でも食らったら気絶するやつが挑んでも無駄か
HPが0になっても気絶で済むが気絶してる時に攻撃されたら普通に死ぬ、だからやめよう
サムラ
サムラ
なら…跳ぶか
俺はそう言って高く飛び上がった
スピードのステータスは移動速度の他に跳躍力も上がる
そして俺より高いスピードなら俺より高く跳ぶから見失うはずだ
そして俺はそのまま落下する
サムラ
サムラ
…よし、まけたか
サムラ
サムラ
なら…昼寝でもするか
夜夜
夜夜
…見当たらないな
サムラを見失ってから数時間たった頃
私は今だに彼を探していた
そしてブラブラと歩いていると、一人の男を見つけた
夜夜
夜夜
すまない、サムラと言う男を見かけなかったか?
男
サムラ?あぁ、知ってるぜ、あのエラーだろ?
夜夜
夜夜
よかった、ならどこに行ったか教えてくれないか?
男
おう、ついてきな
そう言って歩き出す男に私はついていった
…そして歩いていると、森の中でも比較的一目につかないところにきた
男
確かこのあたりなんだが…
…なるほど、確かにここなら見つからなそうだから逃げるのもおかしく無いか
私は男に向き直った
夜夜
夜夜
ありがとう、ここから先は私が探すとする
男
わかった、それじゃあな
そう言って私は踵を返した
…それが間違いだった
私はいきなり、手首を掴まれ、押し倒される
男
ひひひ…まんまと騙されたな
夜夜
夜夜
なっ、何をする!?
男
おっと、魔法を使われたら面倒だな…
そう言って男は杖を振りかざす
男
これ…魔封じの杖だったか?便利だな
私は抵抗を試みる
だが、男の方がステータスが高いのかびくともしない
男
それじゃあ…どこから触っていこうか
夜夜
夜夜
待ってくれ…やめて…くれ…
夜夜
夜夜
や、やめろぉぉぉぉぉ!
俺が昼寝をしていたら、どこかで悲鳴が聞こえた
サムラ
サムラ
この声…もしや、あいつが?
…いや、そんな事を考えてる暇はない
サムラ
サムラ
…行くか
俺は全速力で悲鳴が聞こえた方に走る
すると、今にも襲われそうな夜夜がいた
サムラ
サムラ
おい…何してんだ?
俺は目の前の男に言う
男
あ?エラーか、お前が来たところで何になる?
サムラ
サムラ
…はあ、もういい
サムラ
サムラ
地獄で懺悔しな
彼が、助けに来た
しかし彼ではどうにもならない
誰もが、そう思っただろう
ただ、現実は違った
彼は短剣を取り出すと目では追えない速度で動いた
サムラ
サムラ
じゃあな
そう言った時には男はバラバラになっていた
サムラ
サムラ
さてと…もう変なやつに襲われるなよ?
彼はそう言って走り去っていった
…やはり、彼は私が昔見た私のヒーローだ
私のヒーローは、まだここにいる
夜夜
夜夜
…次こそは真実を暴いてあげるよ、私のヒーロー
「速度しか取り柄のない俺が実力主義の世界を生きる」 完
作者から
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