第2話

「性転換したので新しい人生を歩んでいきます」(青春・学園)
18
2024/03/24 09:29
先生
先生
…まず、みんなに嬉しいニュースと悲しいニュースがある
先生
先生
悲しいニュースは、ミナモが転校したことだ
先生
先生
そして嬉しいニュースは、転校生が来ることだ
先生
先生
じゃあ、来てくれ
私はそう言われて教室に入る
…そこにら、見知った顔と、笑いを堪えてる顔があった
だけど私は知らないふりをして言った
霧雨
霧雨
転校してきた霧雨です、よろしくお願いします
こうなった経緯は数日前に巻き戻る
ミナモ
ミナモ
はふぅ…もう1時か
俺の名前はミナモ、なんの変哲もない学生だ
ネル
ネル
おいおい、電話中に寝るなよ?
こいつはネル、俺の幼馴染で金持ちなモテ男だ
そしてゲーム友達でもある
ミナモ
ミナモ
ん〜、なら俺もう寝るとするよ、明日一緒に遊ぼうぜ
ネル
ネル
わかった、9時くらいからでいいか?
ミナモ
ミナモ
ああ
俺はそう言って電話を切り、寝た
…そして次の日、俺は目を覚ました
ん〜、気持ちのいい朝だね〜
…あれ?少し声が高くなってる?
…待って、なんか胸部がやけに重い
後、なんか話し方おかしくない?
…まあいっか
とりあえず顔洗ってこよ〜
私はそう言って洗面台に行き、自分の顔を見た
ミナモ
ミナモ
な、な、なんで〜〜〜!
え?本当になんで?
そしてそんな中、インターホンが鳴る
ネル
ネル
お〜い、来たぞ
待って待って待って!タイミングが悪い!
ネル
ネル
あ?鍵が開いてるな…入るか
いやぁぁぁ!
ネル
ネル
お〜い、来たって…
ネル
ネル
誰だぁぁぁぁ!
ミナモ
ミナモ
見るなぁぁぁぁぁ!
そしてなんやかんやあって
ネル
ネル
…なるほど、寝て起きたら性転換したと
ミナモ
ミナモ
…はい
ネル
ネル
よし、俺に任せとけ、財力でなんとかしてやる
…って言うことがあってこうなったわけ
先生
先生
霧雨はそうだな…ウミナの隣に行ってくれ
ウミナ
ウミナ
霧雨さん、こっちです
うわぁ…こう女になって見るのほんっとイケメンだなぁ…
霧雨
霧雨
よろしくね!ウミナ君
ウミナ
ウミナ
はい、よろしくお願いします
先生
先生
それじゃ…一旦休み時間にして、次の授業の最初に質問タイムをとる
そう先生が言った途端、ウミナがスマホを打ち始めた
そして私の携帯に着信が来た
霧雨
霧雨
えっと…
相手はウミナ
ウミナ
ウミナ
「すみません、少し恥ずかしいのでこのような形で話すことになってしまって」
私はなんの気もなしに女っぽい口調で返した
ミナモ
ミナモ
「別にいいよ、私も少し恥ずかしいし」
その瞬間だった
ウミナがイタズラっぽい笑みを浮かべてこちらを見てきた
そして私は気づいた
スマホ、男のまんまだ…
ミナモ
ミナモ
「待ってくれウミナ!これは誤解だ!絶対に黙っててくれ!」
ウミナ
ウミナ
「にしても奇遇だね…僕もなんだ」
…ん?僕も?
ミナモ
ミナモ
「…おい、それってどう言うことだ」
ウミナ
ウミナ
「少し待ってて、今アイコンと名前変えてくるから」
海南
海南
「…これでいい?」
ミナモ
ミナモ
「…え?」
私は、現実でも素っ頓狂な声を出しかけた
だって海南は、このクラス、いやこの学校のアイドル的な存在だからだ
そしてウミナも今、学校のアイドルになっている
…こいつ、結局苦労人だな
ねえねえウミナ君、今日一緒にお昼食べない?
私はその声でハッとした
同じ性転換仲間なら今日ぐらいは一緒にいたい
霧雨
霧雨
わ、私も一緒に食べたい…な
そしてウミナは貼り付けたような笑顔を振り撒きながら言った
ウミナ
ウミナ
ごめんね、僕は今日、霧雨ちゃんと一緒にお昼を過ごしたいんだ
その一声で、クラス中が驚いた
おまっ、いきなり「ちゃん」呼びはどうなんだよ!?
ウミナ
ウミナ
あははは、まあいいじゃないか、ねえ?霧雨ちゃん?
そう言ってウミナはイケメンフェイスを私に近づけてきた
うぐ…なんかドキドキする…
霧雨
霧雨
う…うん
なんなんだ、この感情
…まあ
せっかく性転換したなら
新しい人生を歩むとしますか
ウミナ
ウミナ
僕は、目の前の少女を見つめていた
雰囲気でわかったけど、多分彼女はミナモ君だ
僕がこの姿になった時は心底絶望したけど
ウミナ
ウミナ
…彼が女になったのなら、合法だよね?

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