第21話

💐
3,683
2021/10/21 07:21
家に着いて荷物を置き



エプロンをかける







色々と材料を準備していると



カウンターキッチンの向こうから突き刺さる視線




you
you
………………何……?



そう言わずには居られなかった



じん
じん
ッ何か手伝うことある?



待ってましたと言わんばかりの顔で


食い気味に話してくるジン





こういう時の彼は本当に分かりやすい



you
you
ない



でも、今日1日の彼はよく分からない




不倫相手と会うようになってから


家で夕飯も食べなくなったのに




急にリクエストしてきて手伝おうともして
you
you
☁️意味わかんない……



つい浮かれてしまいそうになる自分を抑える




じん
じん
そっか……



そう言うと明らかにしょんぼりして



ソファの方へと歩いて行った











そんな彼を見て

you
you
☁️ちょっと可哀想だったかな……



なんて馬鹿みたいなこと考えていたんだ













あれから少し時間も経ち



料理もほぼ完成に近づいた頃











突然立ち上がると小走りで寝室へ入っていったジン



この時から嫌な予感はしていた















暫くしてジンは戻ってくると




じん
じん
ごめん、先食べてて
you
you
……え?
じん
じん
帰ってきたら食べるからラップしといて



その意味はすぐにわかった



you
you
麺……伸びるよ?



引き止めるためにしょうもない言葉しか思いつかない


じん
じん
ちょっと急用が出来て……
you
you
こんな時間に?



今までこんなに問い詰めたことは無かったのに






じん
じん
……今日、仕事休んだからその事



勇気のない私はそれ以上聞けなかった


you
you
……そっか、いってらっしゃい
じん
じん
一緒に食べれなくてごめんね



何言ってるの……そんなの、


you
you
いつもの事じゃん……ㅎ
じん
じん
…ッ……


私にこう言わせたのはジンなのに



少し苦い顔をすると私の頭を撫でようと



伸びてくる彼の手




you
you
……やめて



あと少しで触れそうになった手を遮り



you
you
早く行かないと



顔を見ずに催促する


少し間が空いたあと




じん
じん
先、寝てて



そう言い残しジンは部屋を出ていく








扉の閉まる音が聞こえたと同時に






私と彼の間にも大きく分厚い壁が出来た気がした














それでも、不思議と涙は出てこなかった







next→

プリ小説オーディオドラマ