第12話

描け、僕色のキャンバスを 4話🖼
25
2025/01/25 02:47 更新



 _浬の部屋

高階 浬(たかしな かいり)
…………


 ピコンッ

闇夜
『カイ、イラストの方どう?』
カイ
『……まだ時間かかりそう』
闇夜
『そう。できたら言って』
R
『……あ、そういえばさ』
R
『この前の新曲、
すごく話題になってるの知ってる?』
Joker
『へえ、そうなの?』
R
『うん、びっくりした』
カイ
『…………』
Joker
『あれ、カイ? どうした?』
Joker
『いつもだったらもっと騒ぐのに……』
カイ
『……別に』
カイ
『僕の絵なんて、ただの付属品なんだろ』
Joker
『え……?』
カイ
『僕の絵なんて、誰も見てない。
曲がなきゃ、絵に価値はないんだよ!』
闇夜
『何……急に』
カイ
『……っ、ごめん。
今日はもう作業やめる』


 ピコンッ





高階 浬(たかしな かいり)
バカじゃん……僕
高階 浬(たかしな かいり)
みんなに当たったところで、
落選が優秀賞になるわけないのに……
高階 浬(たかしな かいり)
(さっき描いた絵、汚いな……)
高階 浬(たかしな かいり)
(こんな絵じゃ……誰にも───)
高階 浬(たかしな かいり)
…………っ!
高階 浬(たかしな かいり)
(一体、何のために描いてるんだろ……)
高階 浬(たかしな かいり)
僕は描かなきゃいけないのに……
でも、どれだけ描いても誰にも認めて
もらえない。見てもらえなんだ……
高階 浬(たかしな かいり)
───それなら、絵を描くのやめてやる


 ガシャンッ

高階 浬(たかしな かいり)
こんなの、もういらない……


 ガチャッ

高階 渚(たかしな なぎさ)
うるさい……静かに───
高階 渚(たかしな なぎさ)
……って、お前何して……?
高階 浬(たかしな かいり)
放っておいてよ。
こんなもの、もう使わないんだから
高階 渚(たかしな なぎさ)
だったら尚更……って、
それ、全部画材だろ? いいのか?
高階 渚(たかしな なぎさ)
昔から大事にしてあったものまで……。
またあのふたり関連か?
高階 浬(たかしな かいり)
うるさい……出てけよ
高階 渚(たかしな なぎさ)
もしそれが原因なら───
高階 浬(たかしな かいり)
……っ、お前に何がわかる!?
高階 渚(たかしな なぎさ)
……っ!?
高階 浬(たかしな かいり)
惨めな僕を嘲笑いに来たの?
お前からの慰めなんていらないから!
高階 浬(たかしな かいり)
わかるわけないよな……!
認められたくても認めてもらえない、
落ちぶれた人間の気持ちなんて!
高階 浬(たかしな かいり)
お前なんかに、わからないよ……!
高階 浬(たかしな かいり)
……もう、出てけよ!
高階 渚(たかしな なぎさ)
あっ、浬……!


 バタンッ

高階 浬(たかしな かいり)
もう、聞き飽きたんだよ……!
後悔するとか、大切だとか!
高階 浬(たかしな かいり)
そんなこと、自分が一番わかってる!
高階 浬(たかしな かいり)
でも、もう無理なんだよ……!
無意味なんだ、ひとりにさせてよ……!
高階 浬(たかしな かいり)
…………そうだ、あそこに行けば……



 _ひとりぼっちのセカイ

高階 浬(たかしな かいり)
……静かだな
高階 浬(たかしな かいり)
(ここに来れば、何も感じなくてすむし、
考える必要もない)
高階 浬(たかしな かいり)
(楽、だな……)


 タッタッタッ

ローベルミク
あ、浬……
高階 浬(たかしな かいり)
ミク……
高階 浬(たかしな かいり)
ごめん、今はひとりにしてほしい……
ローベルミク
……わかった
高階 浬(たかしな かいり)
……今は、何も考えたくない




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