彼の家に向かっていると高見沢くんが話しかけてきた。
「あのさ……、俺の話を聞いてほしい。俺の家族の話を……。今まで誰にも話そうとは思わなかった。でも、お前になら話してもいいと思ったから。」
「うん……。私も話を聞いてほしい。高見沢くんになら話せると思うの。」
そういうと、彼は少し震えた声で返事をしてくれた。
「ありがとう。」
彼の家に着いてから、髪を乾かして貸して貰った服を着た。
「じゃあ先に俺の部屋に行っといてくれ。2階の1番奥の部屋だから。」
「あ、うん。わかった。」
言われた通りの部屋に行くと、そこには必要最低限のものしか置かれていなかった。床に座って辺りを見渡していると高見沢くんに声をかけられた。
「殺風景だろ?」
「え!?いつから居たの!?」
まじまじと部屋を見ていたところを見られたかもしれない。そう思うと恥ずかしくなってきた。
「ついさっきからだ。そんなことより、お前に聞いてほしいことがあるって言っただろ?」
「うん。」
「今から話してもいいか?」
「うん、いいよ……。大丈夫。」
心の準備ができたといえば嘘になるかもしれない。彼の抱えている問題を私は受け止めることができるだろうか?
だけど、少しでも高見沢くんの力になれるなら今度は私が彼を助けたいと思った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。