竜平といると、めっちゃ楽しい。
話が面白いし、カラオケとか行くと上手すぎて本当に惚れかけるし…
急に?
さっきまで作る気ないとか言ってなかったっけ!?
呆れたように溜息をついて項垂れる竜平。
「俺が好きなのはマナトなの。」
そう言って小さく笑う竜平は
泣きそうな顔だった。
そう言って、五千円札を机に置いてコートを羽織り出す。
…泣いてた。
そんな顔、見たくなかった。
いつも楽しそうに笑っていた竜平が
苦しそうに顔をしかめながら涙を零している姿なんて。
竜平は鞄を取ると、
走って逃げるようにして店を出ていった。
次の日から、竜平と話せなくなった。
避けられるようになった。
そうなってからようやく、
自分も竜平のことが好きだったんだと気が付いた。
竜平に対して抱いていたあの感情達は
憧れでも
尊敬でも
なんでもなくて。
ただ、好きだったんだって。
もうきっと、この先竜平と前みたいに仲良くなれることはないのだろう。
この気持ちを伝えることも、伝わることも、
竜平のあの涙を笑顔で上書きすることも
きっともう、なんにもできないんだろう。
もう竜平は、吹っ切れてしまっただろうか。
次の恋へと、進んでるのだろうか。
俺の事は、もう忘れちゃうのかな。
俺は、
いつ、忘れられるのかな。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。