設定追記
・表社会と裏社会はほとんど完全に分断されています。なので、常識や生活、文化なども全く違います。例えるなら、アメリカとインドのような、同じ言語を使う別の国のようなものです。ハリボテの表と裏みたいな感じで、裏社会は一般人には認識もされてません。治安は表が日本、裏がバングラディッシュのスラムを日本っぽくした感じです。
ややこしくてすみません。
これ伝えてなかったら話分かんなくなりそうだったので…
今日が七夕ということで、番外編として出します!
※時系列は関係ありません。
皆が殺し屋ってことだけ、念頭に置いておいて下さい。
夏の入口、7月7日。
突然、ドズルさんが「たなばた」の準備をしようと提案してきた。
メンバー全員が揃っている中で、「たなばた」を知っているのはドズぼんだけのようだ。
一言も発せずに進む話に横槍を入れる。
なんの知識もないのに何をしろと…!?と思うが、文句は
おらふくんに任せる。
きょとんとした顔でドズルさんが尋ねた。
当然のように説明を押し付けるぼんさんに、ドズルさんは呆れた様子で説明を始める。
織姫と彦星の話を聴いて、昔の人の考えの不思議さを想った。
まあ一番有名なのは笹に短冊を結ぶってやつだけど。
そう付け足された言葉に、驚いた。
……「七夕」楽しむ気満々じゃないか。
珍しく浮かれているドズルさんを眺めながら思った。
皆一気に考え始めるが、やはり思い浮かばないのだろう。
おらMENは何処かにふらふら歩いて行った。
まあこの世界で願いなんて甘いこと言ってられない。
当然ではあると思う。
ドズルさんは皆の分の短冊を用意していたし、その思いを無下には出来ない。
ぶつぶつ呟きながら考えていると、ぼんさんが自分の独り言に突っ込んできた。
冷たく返したのに、ぼんさんは笑いながら去っていった。
―夜。
まだ日が沈みきらない時間。
ドズルさんに言われた通り、何とか願い事を考えて集まった。
そう言って配られたのは、それぞれ色が違う細長い紙。
自分は黄色だった。
もうカオス過ぎてやばい。
どうやって収集つけるんだろうか、これ。
ぼんさんが突っ込んだがドズルさんはスルーだ。
MENはMENでおらふくんをからかっている。
自分も短冊を結びつけ、皆のものを眺める。
「皆とずっとやっていけますように」
これは恐らくドズルさんだろう。
汚い字で書かれた「女運アップ!」は絶対にぼんさん。
(この後暫くぼんさんをいじめてやった)
「皆とたくさん旅行行きたい!」
殺し屋らしからぬ短文に、思わず頬が緩む。
前にした小旅行が楽しかったのだろう。
本当にドズル社はやばい。終わってる。
知らぬ間に取り分けていたドズルさんに渡された、ガラスの器に入った素麺を眺める。
余計な感傷を捨て、素麺を啜る。
皆素麺を美味しそうに食べている。
多めに茹でたはずなのにあっという間に消えたと、ネコおじが驚いていた。



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。