志麻side
義父が酒を飲みながらテレビで競馬を見ている。
どうやら今日は勝てそうみたいだ。
随分と機嫌がよく見える。
今なら、話してもいいかもしれない。
義父が食い入るようにテレビを見つめる。
しかし最後の最後でスピードを落として負けてしまった。
バン!と机を叩く義父にビクリと肩をふるわせる。
どうしよう、今言える状況じゃない…
俺は覚悟を決めて義父を見た。
そっと義父を見ると…
義父に思いっきり突き飛ばされ、積み重なっていた雑誌に突っ込んだ。
ギリギリと首を絞められて息が苦しい。
そのまま首をつかまれてまた投げ飛ばされた。
衝撃でズボンが破れ、俺の足が見える。
その時、義父の目の色が変わったことに、俺は気づかなかった。
義父がドカッ、と座るとニヤリと笑った。
逆らえるはずなく、俺はしぶしぶ従うことにした。
義父が勢いよくビールを飲んだ。
上着を脱いで床に投げた。
その後も義父はどんどん缶ビールを飲んでは俺に服を脱ぐことを強要した。
早く潰れて欲しい…だが義父は酒にはとても強い。
なかなか潰れないのだ。
俺の肌を守ってるのはシャツとパンツだけだ。
シャツを脱ぎ捨てると痣だらけの肌が露になる。
勢いよく缶ビールを飲み干してから缶を俺に投げつける。
パンツをおそるおそる脱いで床に置く。
必死に腕で体を隠す。
義父が俺の肌を触る。
言われるがまま俺は床に上半身だけ寝そべって、腰をあげた。
不安を抱えながらその格好を保っていると、
なにか冷たいヌルヌルしたものを尻にかけられた。
それがローションだと気づくまで時間はかからなかった。
義父がローションを指に絡ませ、俺の後孔に指を2本一気に入れられた。。
ぐちゅぐちゅと後ろを犯され気分は最悪なはずなのに、奥へ奥へと指を欲してしまい腰がうごく。
俺のモノから白濁とした液体が飛び出した。
三本指が俺の中でバラバラに動かされ、前立腺を擦りあげる。
そして再び液を吐き出した。
ピーンポーン
何?なんか…太いの、入ってきた…ッ?
フラフラとした足取りで玄関に向かった。
黄百合さんが俺を見る。
悟られぬように精一杯笑顔を作った。
黄百合さんを家にあげて、俺はお茶の準備を始めた。
何十回聞いたか分からないやり取り。
義父もそろそろ怖いおじさん達につれていかれるんじゃないだろうか。
カチカチカチ
後孔に入ってたディルドが動く。
変に高い、女の人みたいな声が出てしまい、それを何も知らない黄百合さんに聞かれたことがとても恥ずかしかった。
お盆にお茶をのせて、座卓に向かう。
お茶を置いて立ち上がった時、
さらに強い振動で、俺は膝から崩れ落ちた。
止まらない快楽に、俺はビクビクと欲を吐き出し続けた。
ズボンにシミができ始める。
義父が俺のズボンとパンツを下ろして尻を黄百合さんの方へ向けられた。
俺の後孔に突き立てられたディルドがブルブルと揺れる。
ポロポロと涙を零しながら首を横に振る。
だが義父は容赦ない。酔ってるから尚更かもしれないが。
ツーと俺の尻の輪郭を指でなぞられる。
黄百合さんの顔が俺の顔のそばにあるのがわかる。
義父が嬉しそうに黄百合さんに言う。
チュポン
黄百合さんによって後孔からディルドが抜かれた。
呆然と座る俺の目線に合わせ、義父が言った。
目から涙が溢れた。
こんな奴でも、一緒に暮らしていた家族だった。
家族に見捨てられて、体で稼げと言われて、もう…ボロボロだ。
黄百合さんが俺の体に上着をかけてくれ、そのまま立たせてくれた。
満面の笑みでこちらに手を振る義父。
家を出て、黄百合さんの車に乗り込むと、黄百合さんが俺に向き直った。
怖かったんだ。
あの目が、声が、手が、全て。
あぁ…そうだ。
馬鹿みたいじゃないか。
どうして…今まであんなに尽くしてきたのだろう。
黄百合さんが俺の首をツー、と指でなぞった。
黄百合さんが俺に紙を差し出した。
そこには義父の借金の金額。
これが、地獄の始まりだったんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。