代々アルブレヒトという大貴族はテーブルマナーを
大事にしてきた
ひし、と私の足にしがみつく小さな体
浮かせて目線を合わせる
膝へ乗せると同時に本を置く
1ヶ月前、私が黙って隣国に出向くと
ミヒャエルは泣き叫んで怒り狂ってたらしい
私が帰宅すると中はめちゃくちゃになっていた
怒ると更に泣いてしまったのを覚えている
次は絶対一緒に行くと約束したのだ
頭を撫でると自室の扉にノックされた
ガチャ、と開けられると
長い赤毛が扉から飛び出した
そう言うと、おやすみと言い残して
部屋をあとにした
月明かりに照らされた部屋から出ようとすると
ノックが部屋に響き渡る
異様な雰囲気にミヒャエルも気づいたようだ
下がって、と指で支持すると
大きな音を立てて扉は開かれる、そこには
ただ闇が拡がっていた
と、言い放つと一気に風が吹き抜ける
一段落着くと目の前に刺客が猛進してきた
だが私に触れることはできないだろう
部屋に入ろうとした瞬間
部屋と廊下の境目の対敵用の魔法陣が青紫に光る
突如として黒い茨が発生し刺客を捉えた
よく見ると私が喋りかけていたのは人形で
ミヒャエルの声で後ろを振り向く
あの風はああいうことだったの
でも誰であってもミヒャエルは傷つけない
そういう契約だからね
1本の太い茨は振りかぶったポーズのままの刺客の
腹部を確実に貫いた
ミヒャエルは隅を通り私のそばにやってくる
数秒しないうちに世一は部屋に入ってきた
ミヒャエルを抱き上げると
血にまみれた顔をずいっと近づける
世一たちは仲良く廊下を歩いていった
項に挿された印
私の母の顔より見た印だ
どぷんと音を立てて下に沈んだ
やがてお風呂上がりのミヒャエルが布団に潜り込む












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。