第23話

感謝とキス
122
2020/03/29 01:00
明 奏太
明 奏太
ほら、ケーキ
どっちがいい?
明 奏太
明 奏太
ショートケーキとモンブラン
単奏太そうたが、嬉しそうに
ケーキを選ばせる。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
じゃあ、モンブランで
明 奏太
明 奏太
まあ、俺は
ケーキはそんなに好きじゃないから
食べなくていいや
宇佐美 智十
宇佐美 智十
嫌いなのかよ!

そう言いそうに、なったが
口元を押さえて、冷静になる。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
いっただっきまーす
宇佐美 智十
宇佐美 智十
もぐ、もぐ
宇佐美 智十
宇佐美 智十
う、うま…いや
お、美味しい‼︎
明 奏太
明 奏太
アハハ、何
言い直してんの?
宇佐美 智十
宇佐美 智十
////
宇佐美 智十
宇佐美 智十
ほら、ケーキ嫌いとか
言ってないで、奏太も食べなよ
宇佐美 智十
宇佐美 智十
はい、あーん
明 奏太
明 奏太
えっ、パク
明 奏太
明 奏太
!?
宇佐美 智十
宇佐美 智十
美味しい…でしょ?
あああああ

ダメだあ////

恥ずかしくて死ぬうううう
明 奏太
明 奏太
うん、美味しい
初めて智十ちとに、アーンされちゃった。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
あはは…うん、そうだね…
明 奏太
明 奏太
柿の種、美味しいから
食べなよ
宇佐美 智十
宇佐美 智十
出たな、柿の種‼︎

こういう流れで、食べる物なのか?

普通…
宇佐美 智十
宇佐美 智十
辛いものは、ちょっと
苦手で…
明 奏太
明 奏太
そうなの?
上手いのに…
奏太は、バリぽりと
柿の種を、食べると

ふうと、ため息をついた。
明 奏太
明 奏太
ごめんな、今日
俺、ちょっとテンション高くて
宇佐美 智十
宇佐美 智十
えっ?
明 奏太
明 奏太
智十が、久しぶりに
俺の家に遊びに、来てくれるんだって
思ったら、1人で浮かれてた。
どんだけ、僕が
来るの楽しみだったんだよ。

でも、ちょっと嬉しい。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
もっと、浮かれて
いいよ。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
今日だけは、僕を封印して
私になってあげる
明 奏太
明 奏太
えっ
戸惑った表情を、する
奏太。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
だから、一緒に
やりたいこととか、してほしい
事があったら、言っていいよ。
たぶん、お礼といっても
こんな事ぐらいしか、できない

だろうから…
明 奏太
明 奏太
ああ!こんな日が来るなんて!
ガバッと、ベットに飛び込んんだ
奏太は、四角いクッションを抱きしめ

足を、バタバタさせている。
明 奏太
明 奏太
じゃあ、ハグしていい?
宇佐美 智十
宇佐美 智十
は…
明 奏太
明 奏太
あと、膝枕に
一緒に写真撮って、それ待ち受けに
したい‼︎
宇佐美 智十
宇佐美 智十
‼︎
宇佐美 智十
宇佐美 智十
ちょ、ちょっと待って…
えっと、やりたい事多くない?
僕が、思っていたより
要望が多くて、困ってしまう。
明 奏太
明 奏太
だって、普段だったら
絶対できない事したいから
宇佐美 智十
宇佐美 智十
普段で、こんな事…
ダメ、我慢、我慢…

さっさと、終わらせて、僕の中の

モヤモヤを、消してしまおう!
宇佐美 智十
宇佐美 智十
じゃあ、ハグね?
ギュッと、ベッドの上で
座っている奏太を、抱きしめる。
明 奏太
明 奏太
ありがとう、智十
宇佐美 智十
宇佐美 智十
・・・
やっぱり、奏太は
僕の体とは違って、たくましいと

いうか、筋肉があるというか…
って、何考えてるんだ!
明 奏太
明 奏太
じゃあ、次は
俺から
宇佐美 智十
宇佐美 智十
えっ…
ぎゅうう
宇佐美 智十
宇佐美 智十
わ、なっ、待って!
ドサっ
宇佐美 智十
宇佐美 智十
いたい…
奏太から、抱きしめてくるのは
いいんだけど、ベッドから落ちて

背中を、打って痛いんですけど…
宇佐美 智十
宇佐美 智十
本当、力加減
覚えなよ
明 奏太
明 奏太
ごめん
宇佐美 智十
宇佐美 智十
すぐ、謝んなくていいから
明 奏太
明 奏太
でも、一応謝っておかないと
自分の中で、納得いかないというか
奏太に、押し倒されて
身動きが、とれない…

今…時間がまるで止まっているかの
ように思えた。

サラサラな髪に、大きな目…整った顔

思わず、そっと奏太の髪に
手を伸ばしてしまった。
サラッ
明 奏太
明 奏太
どうした?
宇佐美 智十
宇佐美 智十
べつにー
数秒間、目と目が合って
沈黙が続く。
明 奏太
明 奏太
智十…
そして、ゆっくり奏太が僕に近づく。

チュっ
宇佐美 智十
宇佐美 智十
・・・
明 奏太
明 奏太
・・・
唇と、唇が触れて

最初はよく、わからなかったけど

奏太にキスされたんだと、気が付いた。
へっ?あれ…あれ…

拒むことも、できたはずなのに、
そうしなかったのは、なぜだろう。

受け入れてしまった自分が、急に怖くなる。
起き上がると、僕の目から、
涙がこぼれ落ちた。
明 奏太
明 奏太
ち、智十?
嫌だった、俺にされるの
宇佐美 智十
宇佐美 智十
違くて…僕…
ああ、やっぱり。
そうなんだな…

奏太だから、キスも拒まなかった。

奏太だから、テスト勉強教えてもらって
感謝を伝えたいと思えたんだ。

奏太だから…好きになれたんだ。
宇佐美 智十
宇佐美 智十
奏太のこと、好きなんだよ…
認めたくないのに
明 奏太
明 奏太
智十…
宇佐美 智十
宇佐美 智十
ごめん、ずっと
照れくさくて…恥ずかしくて
言えなくて
宇佐美 智十
宇佐美 智十
でも!
唇に、トンと
奏太の人差し指が当たる。
明 奏太
明 奏太
その先は、俺に言わせて
体が、ピタリと動かなくなる。

奏太の真剣な表情に、目が離せなかった。

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