初めて、智十に好きと
言ってもらえた。
キスも拒まれるどころか
受け入れてくれた。
智十は、頬を赤く染めながら
小さくコクリと頷いた。
優しく、智十の体を引き寄せると
強く、力いっぱい抱きしめた。
ドクン、ドクンと心臓の
音が聞こえる。
でも、それ以上に…
カッコ悪い、好きって言われても
冷静な態度を取っていたかったのに、
嬉しすぎて動揺しちまう。
いつだって、俺が思っていた通りに
なんて、物事は進まない。
子供の時だって…
その後、智十と
結婚する約束をして…
転勤先である街に移った。
子供の時の短い思い出。
忘れることもできたのに
頭から、あの顔が忘れられない。
気付けば、頭の中は智十でいっぱいだった。
初めて再開した時…
俺に全然心を開いてくれなかった
お前が、今は…俺の一方通行の
片思いじゃ無くなっているのが…
信じられない。
目頭が、熱くなったが
グッと我慢する。
俺が欲しかったものが
俺がずっと会いたかった人
俺が愛した人が、目の前に座っている。
俺の言うことを、こうも
すんなりきかれると
今までのもどかしさが、嘘みたいだ。
ゆっくりと、目をつぶった
俺の大切な人に、優しくキスをする。
口元に触れるたび、幸せを実感して
なんとも言えない温かさを
感じる。
智十は、もじもじと
手わすらを、しながら
なかなか、答えられずにいる。
智十の言ってる意味が
分からず、首を傾げると、
智十は、拳を握りしめながら
立ち上がった。
けっこん…ケッコン?…結婚⁉︎
自分も立ち上がると、俺と智十が
睨み合い、一歩も譲らない
睨めっこが、始まった。
知らなかった。
智十は、好きになると
とんでもなく、デレるタイプの方だった
なんて。
前の智十からじゃ、自分から
結婚選択を選ばすなんて展開を
誰が想像しただろうか?
ガチャ…その時
部屋の扉が一人でに開いた。
なんて、一番いいタイミングで
母さんめ、入ってくるんだ。
しかも、ノックぐらいしろよ!
いくら、家族とはいえ、プライバシーって
いうものがあってだな、いや…
それよりもまず…
グイッ
つづく
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。