とりあえず自分の出来る範囲を確認しようと思い、近くにあった木に手を伸ばした。
私の伸ばした手はそのまま木をすり抜けた。
だけれど、幽霊になったと言っても魔法は使えるらしく魔法を唱えると一応物を動かすことは出来た。
まぁ、魔力を回復するすべがないから魔法を無駄に使うのは良くない気がするけど…
ぼーっと空を飛んでいるととても見覚えのある建物が目に入る。
……死んでるから行く必要はないのにイーストン校へと来てしまった。
私の席には小さな花束が数個と、友人からだと思われる手紙が数枚置いてあった。
手紙を読もうとした手がまたすり抜けた。
あぁ…私、死んでたんだった。
この幽霊としての時間を楽しむ…では無いけど、暗いまま終わるのは何だか嫌だ。
それに私が死んだと言っても世界はいつも通りに動いているようで、今日の授業は何だとかテレビのイケメンがカッコイイとかそんな事で騒いでいる教室はいつもどうり今日もあった。
あ、イケメンと言えば編入試験をトップで通過したというあの、ランス・クラウンくんに私は会ったことがない。
……探してみようかな
。
。
え、まって…本当にイケメンじゃん。噂なんて信じてなかったんだけど
私はふよふよと体を浮かせながら水色の彼に近づく。
彼の真横にいき、顔をまじまじと見ていた。
すると、
心底嫌そうな顔でこちらに目を合わせた。
私は反射で謝ったあと、去っていこうとするランス・クラウンくんの腕を掴…む動作をした。
すると、自身の腕をすり抜けた私が恐ろしいのが身構えこちらを見た。
私がそう問いかけるも、彼からの返答は無い。
…………立ったまま気絶してる。。。。
ランスくんが嫌いなものは虫🦋とオバケ👻でしたね😁
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。