駅から空港までバスで30分。
空港で航空券を購入し飛行機に乗り込んだ。
会えたらなんて言おうかな。
平日のお昼だしまだ学校かな。
約1時間半。
そんなことを考えているとあっという間に兵庫に着いた。そこから電車で市内へ向かった。
駅前は高校生で賑わっている。
きっとどこも入学式なのだろう。
そういえばすっぽかしちゃったな。
キョロキョロと周りを見渡すと見覚えのある制服に見覚えのある顔。
あなた「侑くんと治くん!!」
そう呼びながら駆け寄ったけど2人は怪訝な表情を浮かべている。
侑「あぁ、?誰やねん。」
治「この辺じゃ見らん制服やなぁ。」
そうか、まだ私の事知らないのか…
あなた「あの、倫太郎くん!!どこにいるか分かりますか?」
治「倫太郎…って角名の事か。アイツなら寮にでもおるんちゃう?」
侑「せやな、体育館は使われへんし。」
治「連絡したるわ」
ちょっと待っとってと言い電話をかける治くん
角名📞「もしもし、どうしたの?」
スピーカーにしていたため、倫太郎くんの声が聞こえた。
良かった…無事で良かった、!
ん、とスマホを渡され恐る恐る声をかけてみる。
あなた📞「倫太郎くん、?」
だけど、返ってきた言葉は思っていたより冷たくて…
角名📞「…え、だれ。ねぇ治?」
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結局倫太郎くんに会うことはできず、
宮兄弟にはストーカー扱いされた。
あなた「とりあえず今日は帰るしかないかな…」
倫太郎くんに会いたかったけど向こうは私の事知らないんだしどうする事も出来ない。
家に帰ってまた考えよう。
空港に戻るために電車の切符を買う列に並び
カバンの中を漁る。
あれ
ない。
「財布がない。」
すみませんと言い列から外れ制服のポケットも
カバンの中も探してみるけどどこにも見当たらない。
電子マネーが使えるとも思ったけどまだ私のスマホには登録されてないし
なりより通帳もクレジットカードも今はまだ持っていない。
あなた「詰んだ…」
今日は野宿?絶対やだ。
てかこれじゃ宮城に帰れないし
お母さんに連絡したら激怒されるだろうなぁ。
でも迎えに来てもらうしか帰る方法は…ない。
あなた「嘘でしょ…」
スマホをタップするも充電がないみたいで
真っ暗な画面からピクリとも動かない。
そうだった。
このスマホ新品なのにバッテリーの減りが異常に早くて
入学した次の日に代えてもらったんだった。
5年も前の事だ。忘れてるに決まってるじゃん…
どうするか悩みつつ私は駅でてブラブラと街を歩きながら考えることにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。