No side
蝶屋敷の扉を音もなく開き、演技中のあなたがにっこり笑いながら宇随天元に
話しかける。
あなたを見て、宇随は顔を顰めた。
どうやら、彼女は宇随にもあまりよく思われていないようだ。
それなのに...と、宇随が必死にもがいている少女たちを見つめて大きくため息をつく。
明らかに任務に行くのを嫌がっている少女たちを見て、あなたがくすりと笑みをもらす。
どうせなら思い切りからかいたかったが、今は任務中のため口を噤む。
宇随が、隊士ではない少女をぽいっと空中に放り出す。
寸前で下にいた隊士がキャッチしたものの、皆明らかに宇随を怖がっている。
見事に少女をお姫様だっこした隊士が、宇随に向かって怒鳴り上げる。
少しあなたの裏の顔が出てしまい、あなたは笑みを深めた。
ぽかん、と宇随が口を開く。
任務に必要なのは女、しかも3人なのに、と少し混乱している様子だ。
人を殺すために化粧の練習をしていたのだが、どうやら役に立つようだ。
隊士が言いかけた言葉を、誰かがさえぎった。
困ったように眉根を下げる隊士、そして宇随の両脇に立つ2人の隊士。
遊郭に潜む地獄の場所へ____。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!