何とか逃げ切り廊下を歩く。
そう思ってポケットの中に入れていたスマホを見る。
せっかくなんだし寄り道しちゃお〜!
何処に行こうかな〜……最近ハンバーガー食べてないなぁ〜、あ!ポテトも食べてない!!
あーーー考え出したら食べたくなってきた。
うん、マ〇ク行こ!!
うっっっそ〜〜〜ここでメインキャラと会うとかってある!?
キラキラと子犬のような目で僕を見つめる仙石くんに不覚にも可愛いと思ってしまった。
やばい、犬の耳としっぽが見える。
それに僕の手を握ってる力が、なんというか絶対に逃さないみたいな感じで強い。
これ断ったら僕死ぬタイプ?
〜帰路〜
う、うぅうう〜〜〜……なんで、なんで!!メインキャラとご飯食べないといけないの〜〜!!
てか、いつヒロインのプロデューサーこと愛野あんずは登場するんだよっっ!!!!!!
遅くない!?……………あ、思い出した。
確かプロデューサーって転校生だったんだっけ?
転校してくるのは……えっっと〜親友が言ってた、4月の入学式から1週間後。
あれ、もう少しじゃね?
そう僕らは学校を出てから今の今までずーーーっと手を繋いでる。
さっきからチラチラ見られてるんだよね。
にぱーーーっとそんな効果音がつく笑顔でそう言う。
嫌というほど………って、もしかして仙石くん僕とこれからも手を繋ぐ前提で言ってる!?
その言葉と一緒に手を繋ぐ力が強くなる。
僕とあまり変わらない身長なのに、どっからそんな強い力が出てくるんだよ。
別にね良いんだよ、手を繋ぐくらい。
さっきは恥ずかしいとか言ったけど!!
手ぐらいなら許せるよ。
でもさこう思うのって僕だけなのかな?
友達って………
恋人繋ぎも普通にするもんなの?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。