20XX年、令和。
女子高生の四葉は、親友の彩希と
学校の帰り道にあるお寺の切り株に座って、愚痴を吐き出す。
スクバの表面にびっしりとつけられたキーホルダーの1つを触りながら、こうやって
親友と語り合うのは日課だ。
帰宅部だし、他に特にやることもない。
本当は、もっと可愛くなりたいのに、学校がそれを許さない。
当たり前だけど、どうにかならないものか。
スクバからスマホを取りだし、四葉は彩希に画面を見せる。
そこには、長い爪、派手な髪、ルーズソックスにメイクの濃い平成ギャルたちが笑顔で映っている。
そんなことを話していると、
急に強い風が吹いてきて、巻き上げられた桜の花びらが宙を舞った。
あまりの強風に目をつぶる。
辺りが静かになり、目を開けると…
そこには、憧れの平成ギャル(みたいな人)たちがいた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!