ここ最近のギルベルトは、ルートヴィッヒの“無防備”にやられっぱなしだった。
朝、シャツの裾を無意識に引っ張る仕草。
風呂上がり、濡れた髪で首元をタオルで拭く姿。
と、ギルは思っていた。
けれど。
それは“ギルの思い込み”だった。
ある晩のこと。
ギルがふと寝室をのぞくと、ルートヴィッヒがクローゼットを開けて、
やたら薄手のインナーだけでうろうろしていた。
咄嗟に目を逸らしたギルだったが、ルートヴィッヒは気づいていないふうで、淡々と服を選んでいた。
……はずだった。
ギルベルト、即フリーズ。
ルートヴィッヒはちらりと振り返り、
わざと胸元のシャツのボタンに指をかける。
ギル、完全に沈黙。
ルートヴィッヒは近づいて、ギルベルトの腰に片手を回す。
いつもと違う、ちょっと余裕のある顔。
ルートヴィッヒは、耳元でそっと囁く。
ギルベルト、爆発。
その夜
結局、ギルはルートヴィッヒの掌の上で転がされっぱなしだった。
終わった後、ぐったりとシーツに沈みながら呟く。
涼しい顔でそう言いながら、ルートヴィッヒはギルの髪を撫でた。
その指先が、妙に優しい。
ギルはそれ以上何も言えなくなった。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。